【高校受験2024】北海道公立高入試<数学>講評…昨年と同程度

 2024年3月5日(火)、令和6年度(2024年度)北海道公立高等学校入学者選抜の学力検査が実施された。リセマムは、練成会の協力を得て、学力検査「数学」の講評を速報する。この他の教科(全5教科)についても同様に掲載する。

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【高校受験2024】北海道公立高入試<数学>講評
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 2024年3月5日(火)、令和6年度(2024年度)北海道公立高等学校入学者選抜の学力検査が実施された。

 リセマムは、練成会の協力を得て、学力検査「数学」の講評を速報する。このほかの教科(全5教科)についても同様に掲載する。

<数学>講評(練成会 提供)

 大問数は5題、小問数は20問で、昨年より2問減少し、その分配点で調整がかかっています。(初めて9点配点の問題が出題されました。(空間図形の記述問題))昨年同様、記述問題が総得点の3割を占めています。基本的な問題から、思考力・表現力を問う問題まで幅広く出題されました。□1から□3までは比較的得点しやすい問題が多く、重要な得点源であった一方、□4・□5では難易度が上がり、苦戦を強いられる問題が多かったと言えます。今年度も、登場する人物の「予想・考察」をもとに解き進める形式が出題され,幅広い視点で情報を整理する力と,検証の結果を的確にまとめる表現力が求められました。一昨年、昨年と、上記のような問題傾向が強くなりました。今後もその傾向は色濃くなってくると予想されます。

 □2式の計算の利用(15点分)は、花だんに赤色と白色のチューリップを条件に従って並べる問題でした。(2)は白色のチューリップの本数の求め方を「図」で表し、その「考え方」を式で表現する問題でした。別解は複数あります。自分の考え方を表現する問題でした。新しい形式の出題です。

 □3は例年通り関数からの出題です。問1(2)は記述問題でしたが、直線の式を求める基本的なプロセスを書き上げる問題で、得点しやすかったと言えます。問2は、座標を「文字を使って」表し、長さの関係を2次方程式で表す問題でした。(「文字を使った座標」の考え方は昨年も出題されています。)3年連続でコンピューター画面での操作が出ていますが、問題を解く上で特別な影響はありません。

 □4は例年より難易度は高い問題でした。問2(1)は「平行四辺形であること」を証明する問題でした。与えられた比を使いこなし、相似になる図形の関係を見抜く必要があります。そこから「平行になること」と「辺の長さが等しくなること」をそれぞれ三段論法で導きます。問2(2)は非常に難易度が高く、こちらも比を使いこなし、面積比との関係などから図中の四角形の面積を求める問題でした。

 □5は中1~中3までのすべての学年の知識が必要とされました。問1(1)は中1「図形の移動」、(2)は「図形の移動」に中2の「確率」が融合された問題です。一見手強いですが、樹形図を書き、情報をしっかり認識することで得点することは十分に可能でした。問2は三角柱の体積を求める問題でした。過去2年、今回のような難易度の「空間図形」が出題されていませんでした。空間図形の中での三平方の定理などを使いこなす対策をした人は、対応できた問題かと思います。

 総じて、得点しやすい問題と差のつく問題がはっきり分かれる形となっています。また、新入試1・2年目の傾向としては表現力・分析力を求める問題が非常に色濃く出ていたテストでしたが、今年度の入試では「数学の知識」をしっかり見る問題も多く、「入試に向けた確かな数学力」が必要であり、基礎から応用までしっかり対策した成果が出やすい入試ともいえます。傾向が変わっても、基本問題の得点や中間点をどれくらいしっかり積み重ねることができたかが数学の合計点の差になると予想されます。来年度以降の入試へ向けては、記述問題への対策として普段から答えを導くプロセスをしっかり理解し、問題の本質をしっかり見極める訓練を行うことが大切であると感じます。また「思考力・判断力・表現力を問う問題」に関する問題の出題傾向は、まだまだ続くと予想されます。そして、基本から応用まで様々なパターンの問題にも触れ、経験値を高めていくことも大切であると感じます。


 このレポートは2024年3月5日(火)に速報として練成会により作成されたもの。

協力:練成会



《編集部》

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