【高校受験2024】北海道公立高入試<社会>講評…昨年と同程度

 2024年3月5日(火)、令和6年度(2024年度)北海道公立高等学校入学者選抜の学力検査が実施された。リセマムは、練成会の協力を得て、学力検査「社会」の講評を速報する。この他の教科(全5教科)についても同様に掲載する。

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【高校受験2024】北海道公立高入試<社会>講評
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 2024年3月5日(火)、令和6年度(2024年度)北海道公立高等学校入学者選抜の学力検査が実施された。

 リセマムは、練成会の協力を得て、学力検査「社会」の講評を速報する。このほかの教科(全5教科)についても同様に掲載する。

<社会>講評(練成会 提供)

 出題形式は例年同様、大問4題、小問数33問、配点は地理33点、歴史34点、公民33点となっています。完全解答の問題は昨年より3問少ない12問、毎年出題されていた漢字指定の問題が今年度はありませんでした。また、記述問題は昨年より1問多い9問の出題でした。配点は2点と3点が中心で、記述問題などで4点、もしくは5点となっています。また、完全解答の形式として、近年増加傾向にあった3つ以上の解答をセットとする問題は2問でした。複数の資料から読み取ることができることをまとめる記述問題が出題されており、資料を活用する力と、土台となる知識と結び付けて文章を組み立てる表現力が問われる内容になっています。

 大問1は、例年通り地理・歴史・公民からなる小問集合でした。昨年に比べて比較的答えやすい問題が多い印象ですが、問3(3)2つの企業が資料のような活動を行っている目的を書く問題は、資料の文章の内容から「企業の社会的責任(CSR)」と結び付けて答えるもので、難度が高いものでした。

 大問2は、古代から現代までの歴史総合問題で、難度が高い問題が多くなりました。問2は、618年~1206年の時期の日本の様子に当てはまるものを選ぶ問題で、歴史的なできごとと位置の両方について正しいかどうかを判断する必要があります。問4産業革命と欧米諸国の海外進出についてまとめた表に当てはまる、オランダ、イギリス、ドイツと、アジア、アフリカを答える問題は、用語の暗記だけでなく、できごとの背景や結果なども理解していなければ正解を導くのが難しいものでした。また、問6太平洋戦争について、アメリカと日本の戦争の目的を、語群から2つ選んで答える記述問題は新傾向のもので、正答率は低くなることが予想されます。

 大問3は、略地図やグラフなどを題材にした、世界や日本のさまざまな地域に関する問題でした。□A問2は、グラフと資料が何を示しているかを判断して答える形式で、資料2の地図の数字が、熱帯(雨)林の占める割合であると判断できたかどうかがポイントでした。□B問3は、セメント工場が建設されている地域の特色を、資料をもとに答える問題ですが、石灰石がセメントに加工されると重量が軽くなることを資料から読み取り、それを輸送と結び付けて文章を組み立てるのがポイントです。

 大問4は、表やグラフなどを題材にした、政治や経済、国際社会に関する問題でした。比較的解きやすい問題が多くなりました。ただし、問5〇2集団(的)安全保障を答える問題は正答率が低くなると予想されます。逆に問6の記述問題は、地球温暖化とその原因である温室効果ガスは基本的な知識のため、文章を書いていれば、正答にならなくとも中間点があたえられる解答が多くなるはずです。

 大問1の小問集合問題は基本事項が多いですが、難度の高い記述問題も出題されます。教科書の知識を正確に覚え、内容などを説明できるようにする必要があります。大問2から4の問題に対応するには、できごとの時代背景を深く理解したり、統計資料から国や都道府県を判断できるようにしたりすることが大切です。地理は、地図帳や参考書を活用して、国や都道府県の特色やデータを覚えること。また、覚えた知識を使って、できごとの内容や原因、理由などを正確に書く表現力も必要です。最後に、北方領土に関する問題は必出なので、地理と歴史の2つの観点から知識を整理しておきましょう。


 このレポートは2024年3月5日(火)に速報として練成会により作成されたもの。

協力:練成会

《編集部》

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