2023年の海外留学は回復傾向、アジア地域はコロナ前超

 海外留学協議会は2024年5月21日、「海外留学協議会(JAOS)による日本人留学生数調査」の結果を発表した。JAOS加盟の留学事業者40社からの2023年の1年間の留学生数は6万6,007人(オンライン留学含む)で、オフライン留学はコロナ前の2019年比83%(前年対比218%)まで回復したことがわかった。

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 海外留学協議会は2024年5月21日、「海外留学協議会(JAOS)による日本人留学生数調査」の結果を発表した。JAOS加盟の留学事業者40社からの2023年の1年間の留学生数は6万6,007人(オンライン留学含む)で、オフライン留学はコロナ前の2019年比83%(前年対比218%)まで回復したことがわかった。

 JAOSは留学事業の健全な発展と国内の留学啓蒙を目的として、民間の留学事業者や海外政府機関などの64団体で構成。日本人の留学生数をより明らかなものとしていくことを目的として、日本人留学生数調査を毎年実施し、社会人や小中高校生などを含む留学生数統計データを提供している。2023年の調査は、2024年4月にJAOS会員である留学事業者40社を対象に実施した。

 今回のJAOS統計調査で、2023年の従来型のオフライン留学数は、コロナ前の2019年比83%(前年対比218%)まで回復したことがわかった。オフライン留学が増加傾向にあるのに対し、海外の教育機関の授業を日本で受講するオンライン留学数が、2023年の4,799人から、1,568人に減少し、コロナ禍の2020年約1万から大幅に減少している。

 従来型のオフライン留学の行き先の1位は「アメリカ」で全体の22.4%にあたる1万4,444人と、2位「オーストラリア」の19%、1万2,221人を上回る結果となった。一方、2022年は日本人の留学先で1位だった「カナダ」は3位になり全体の14.7%、9,485人になっている。4位「イギリス」10.7%、6,903人、5位「フィリピン」9.0%、5,792人と続く。

 日本人の留学先をアジア、ヨーロッパ、北米、オセアニアの4つの地域別にみてみると、2023年の留学生総数は、1位「北米」2万3,929人、2位「オセアニア」1万7,133人、3位「アジア」1万4,012人となった。対2019年比率でみると、北米が75%、オセアニアが72%、ヨーロッパが96%のところ、アジアは112%になっており唯一2019年の数字を上回っている。円安、物価高などによる留学費用の高騰を受け、留学費用が安価に抑えられるアジア留学へのシフト、国内大学がアジアへの留学プログラムを増やしていることなどが考えられる。

 2023年特に目立った留学先としては、急速に日本との関係改善が進み、K-POPやK-ドラマ・映画などで世界的な注目を集める「韓国」、そして円安やアメリカやオーストラリアなどのインフレによる物価高で留学費用が相対的に上がっていることを受け、以前より新たな日本人学生の海外大学進学先として知られてきた「マレーシア」や「台湾」も注目度を上げているという。

《中川和佳》

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