韓国デジタル教科書全面導入、教育現場では未だ評価定まらず

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韓国では2014年から小・中学校で、2015年から高校でもデジタル教科書が全面的に導入される予定ですが、それについてのあなたのお気持ちをお答えください
  • 韓国では2014年から小・中学校で、2015年から高校でもデジタル教科書が全面的に導入される予定ですが、それについてのあなたのお気持ちをお答えください
  • デジタル教科書の教育現場におけるメリットはどのような点だと思いますか(複数回答)
  • デジタル教科書を利用した授業は、紙の教科書を利用した授業に比べ教えやすいですか
  • 「教えにくい」「どちらかと言えば教えにくい」「どちらとも言えない」と回答した方にお聞きします。その理由をお答えください(複数回答)
  • 教育ニーズの多様化や新たな「学習弱者」の発生など、現在の韓国の教育が抱える課題を解決するひとつの手段として、デジタル教科書の全面導入は有効だと考えますか
  • デジタル教科書の全面導入における課題をお答えください(複数回答)
 デジタル・ナレッジは4月27日、同社が運営するeラーニング戦略研究所が実施した韓国におけるデジタル教科書の全面導入に関するアンケートの結果を公開した。

 同調査は、韓国の小・中・高校の20歳から49歳までの教員計99名(男性68.7%、女性31.3%)を対象に2月〜3月にWebアンケート方式で実施したもの。

 韓国では2014年から小・中学校で、2015年からは高校でもデジタル教科書が全面的に導入される予定だが、それについての考えを尋ねた質問では、「とても良い」(8.1%)、「まあ良い」(33.3%)、「どちらともいえない」(26.3%)、「あまり良くはない」(24.2%)、「まったく良くはない」(8.1%)となった。「良い」とする肯定派が4割を超えるものの、否定派も3割以上、さらに態度を保留する回答も4分1程度あり、教育現場におけるデジタル教科書の評価・価値が定まっていない様子が伺える。

 デジタル教科書の教育現場におけるメリットについて尋ねた質問では、「場所・時間を問わず学習提供が可能(欠席時も含む)」(48.5%)、「教えやすくより効率的な授業運営が可能」(32.3%)、「インタラクティブな教材が使用できる」(31.3%)、「教員支援ツール(クラス管理や生徒評価など)の充実」(22.2%)、「生徒の学習意欲が上がる」(20.2%)などとなっている。韓国のデジタル教科書は単に紙の教科書をデジタル化しただけでなく、学校教育をさまざまな側面からサポートする総合的ツールとして開発されており、その多機能さも一定の評価を得ているとしている。

 デジタル教科書を利用した授業は、紙の教科書に比べ教えやすいかという質問では、「とても教えやすい」(4.0%)、「まあ教えやすい」(34.3%)、「どちらともいえない」(42.4%)、「やや教えにくい」(15.2%)となった。「教えにくい」と感じる理由は「事前準備が必要だから」「紙の教科書の方が慣れているから」などのほか、不安定な動作やコンテンツ不足など、デジタル教科書そのものの問題点を指摘する声も挙げられている。

 「教育ニーズの多様化や新たな学習弱者の発生など、現在の韓国の教育が抱える課題を解決するひとつの手段として、デジタル教科書の全面導入は有効だと考えますか」という質問では、「有効である」(34.3%)に対し、「有効ではない」(42.4%)が上回った。

 デジタル教科書の全面導入における課題については「デジタル教科書やタブレット端末の故障や費用負担の問題」がもっとも多く63.6%。また、「学習環境・インフラの整備」(54.5%)、「デジタル教科書を使った最適な授業手法の開発」(49.5%)、「教員の研修」(37.4%)となり、さまざまな課題を感じていることが伺える。

 資料では、このほか「デジタル教科書に対する生徒・保護者の反応」や「デジタル教科書の全面導入に向けて期待すること」など、さまざまな視点からアンケート結果を分析し、eラーニング戦略研究所独自の見解を加え、韓国のデジタル教科書導入に関する実態と課題をまとめている。
《前田 有香》

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