ICTで小学生のリビング学習を実現…小学館・浜学園・NTTが新教育サービス開始

 小学館、進学教室浜学園、NTT西日本、NTTラーニングシステムズは11月28日、4社協業による、スマートテレビとタブレットを用いてリビング学習を実現する新教育サービス「テレビドラゼミ」と「シラベテ(SirBeT)」に関する記者発表を行った。

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写真右から、小学館 常務取締役 山岸博氏、浜学園 専務取締役 竹森勝俊氏、NTT西日本 代表取締役副社長 小椋敏勝氏、NTTラーニングシステムズ 西日本事業部事業部長 津野昌彦氏
  • 写真右から、小学館 常務取締役 山岸博氏、浜学園 専務取締役 竹森勝俊氏、NTT西日本 代表取締役副社長 小椋敏勝氏、NTTラーニングシステムズ 西日本事業部事業部長 津野昌彦氏
  • 小学館常務取締役 山岸博氏
  • 浜学園専務取締役 竹森勝俊氏
  • NTT西日本代表取締役副社長 小椋敏勝氏
  • 光BOX+を繋いだスマートテレビによる「テレビドラゼミ」の視聴方法デモンストレーション
  • 電子黒板で「テレビドラゼミ」の講義解説のデモンストレーション
  • 浜学園の「シラベテ(SirBeT)」。タブレットでテキストのわからない箇所を撮影
  • 撮影した文字を認識し、関連する講義映像が再生された
 小学館、進学教室浜学園(以下、浜学園)、西日本電信電話(以下、NTT西日本)、エヌ・ティ・ティラーニングシステムズ(以下、NTTラーニングシステムズ)は11月28日、4社協業による、スマートテレビとタブレットを用いてリビング学習を実現する新教育サービス「テレビドラゼミ」と「シラベテ(SirBeT)」に関する記者発表を行った。

◆「ドラゼミ」の映像授業をリビングで

 「テレビドラゼミ」は、小学館の通信添削学習「ドラゼミ」の受講者を対象に、解説講義を動画配信するもの。テレビにセットトップボックス「光BOX+」をつなぎ、ブロードバンド回線を接続すれば、リビングにあるテレビで「テレビドラゼミ」の授業が視聴できる。なお、テレビ以外でもパソコン、iPadやAndroidなどのタブレット端末、スマートフォンにも対応する。サービス開始は2013年4月1日の予定で、毎月払いの場合は、通常コースの会費に月1,700円〜2,500円(学年により異なる、一括払いもあり)プラスすれば受講可能だ。

 4社各々の役割は、小学館が紙をベースにした教育コンテンツ「ドラゼミ」の制作をし、浜学園は精鋭の講師による授業の映像化を担当。NTT西日本とNTTラーニングシステムズは映像配信のための通信インフラを提供する。4社で共通しているのは、家族が集まるリビングで学習できる環境を実現させるための“リビング学習”という理念とのことだ。

◆疑問に映像で答える「シラベテ(SirBeT)」

 難関中学受験に実績のある浜学園は、塾生向けにタブレット端末を用いて講義映像が見られるサービス「シラベテ(SirBeT)」を12月より提供する。浜学園がすでに提供している映像授業「Webスクール」において、NTTラーニングシステムズの簡単検索サービス「シラベテ(SirBeT)」を活用するというもの。スマートフォンやタブレット端末でテキストを撮影することにより、該当箇所に関する講義映像を再生できるサービスだ。塾生は、わからない部分を撮影するだけで、講義映像により復習が行える。

 会見で小学館 常務取締役 山岸博氏は「教育サービスの充実度における都市部と地方の格差を解決できないのか? また、塾に通うことが不可欠とはいえ、小学生が夜道を歩いたり、家族で夕食を食べられないといった現状をなんとかできないのか? などと考えていたところで浜学園さん、NTT西日本さん、NTTラーニングシステムズさんと出会い、通信添削学習『ドラゼミ』を映像化してTV視聴する『テレビドラゼミ』誕生となりました」と挨拶。また、先に発表されたリセマム主催のイード・アワード2012「通信教育」の小学生の部で、「ドラゼミ」が最優秀賞を受賞したことも紹介した。

 続いて浜学園 専務取締役 竹森勝俊氏は「私たちは今までなかった新しい進学塾の形をお届けします。テキストのわからない問題を端末内蔵のカメラで撮影するだけで最先端のeラーニング講義をお届けすることができます。私たちが最先端のeラーニングに取り組む背景や実現したいという思いは、地域の格差・所得の格差を教育の格差につなげてはならないという思いであります」と語った。

 NTT西日本 代表取締役副社長 小椋敏勝氏は「私たちが提供する光BOX+では、テレビドラゼミのほかにもさまざまな映像・娯楽コンテンツが楽しめます。今後は教育のみならず、医療、行政、防犯防災の分野にも広げていきたいと思っております」と語った。

 浜学園が今年7月に発表した調査結果によると、「主に勉強する部屋」については「リビングルーム」と回答した小学生が全体の72%ともっとも多く、これに続く「リビングルームに連続した共有部屋」(10%)、「専用の子ども部屋」(9%)を大きく上回った。今回発表された2つのサービスはいずれも、ICTを活用してこの“リビング学習”を実現するものとなっている。

 なお、両サービスとも利用には、NTT西日本のフレッツ光等のブロードバンド回線、対応するプロバイダーとの契約、ルーター等が必要。浜学園の「シラベテ(SirBeT)」は塾生向けに提供されるが、「テレビドラゼミ」は、日本全国はもとより、条件によっては海外でも受講可能という。
《野路 敬生》

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