文化庁が国語に関する世論調査を発表…慣用句誤用や新しい表現定着

 文化庁は9月24日、「国語に関する世論調査」の結果を発表した。国語の意識や理解の現状を調査するもので、「メール世代」の10~20代の若者の6割が「手書きで手紙を書くべき」と回答。また慣用句や言葉の誤用、新しい言葉の表現も浸透していることがわかった。

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今後もなるべく手書きで手紙を書くようにすべきである
  • 今後もなるべく手書きで手紙を書くようにすべきである
  • 言い方を聞いたことがあるか
  • カタカナ語の意味がわからずに困ることがあるか
  • 国語に関わる知識や能力についての課題
 文化庁は9月24日、「国語に関する世論調査」の結果を発表した。国語の意識や理解の現状を調査するもので、「メール世代」の10~20代の若者の6割が「手書きで手紙を書くべき」と回答。また慣用句や言葉の誤用、新しい言葉の表現も浸透していることがわかった。

 同調査は、日本人の国語に関する意識や理解の現状を調査し、国民の国語に関する興味や関心を喚起するために、文化庁が1995年から毎年実施している。

 今年3月に、全国の16歳以上の男女を対象に面接方式で実施し、2,153人から回答を得た。

 はがきや手紙などの宛名を「手書きをする」と答えた人は全体の66.7%で、2004年度の調査に比べ12.8ポイント下がった。報告書やレポートなどの文章を「手書きをする」と回答したのは3割だった。一方、16~19歳は、項目の「はがきや手紙」、「年賀状の宛名」、「はがきや手紙の本文」、「報告書やレポートなどの文章」のすべてで「手書きをする」と回答した人は6割以上いた。

 また、「メール世代」の16~19歳では、「手紙を手書きで書くべき」と6割が回答。2004年度から17.6ポイント増え、ほかの年代の中でも一番多かった。年齢が上がるにつれ、手書きにこだわらない人の割合が高くなる傾向が見られた。

 新しい表現の言葉として、「うるうるとした瞳」を「聞いたことがある」と回答した人は85.1%いた。「きんきんに冷えたビール」「ざっくりとした説明」「気持ちがほっこりする」については7割以上が「聞いたことがある」と答え、定着しつつあることがわかった。

 言葉の意味の項目では、「役不足」について「本人の力量に対して役目が軽すぎる」と正しく理解している人は全体の4割だった。「噴飯(ふんぱん)もの」を「腹立たしく仕方ないこと」と回答した人は5割おり、正しい意味の「おかしくてたまらないこと」と回答できたのは2割だった。

 慣用句については、「激しく怒ること」を「怒り心頭に発する」と正しく回答した人は全体の2割、「怒り心頭に達する」と誤用していた人は7割いた。年代別では16~19歳が誤用している割合が高く、約8割いた。

 そのほか、人とのコミュニケーションについては、自分の受けとったことと食い違っていたという経験がある人が全体で6割以上おり、16~19歳代が一番多く8割が「ある」と回答。理由については、20代以下の年代で「自分の聞き方に問題がある」と考えていることがわかった。

 さらに、外来語や外国語などのカタカナ語の意味がわからず「困ることがある」と回答した人は全体の8割、社会全般の課題として「敬語などの知識」と挙げた人が4割弱いた。

 調査の結果は文化庁のホームページで公開している。
《田中志実》

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