【中学受験の塾選び】首都圏の人気塾の合格力(2014年度版)

 首都圏で人気の5つの進学塾「日能研、SAPIX(サピックス)、四谷大塚、早稲田アカデミー、希(のぞみ)学園」について、3月5日時点の速報値を基に難関校・上位校の合格実績を比較し、それぞれの合格力を見ていく。

教育・受験 受験
表1:学校別に見た各塾の合格者数(2014年度)
  • 表1:学校別に見た各塾の合格者数(2014年度)
  • 表2:学校別に見た各塾の定員に対する合格率(2014年度)
  • 表3:難関・上位校別に見た各塾の定員に対する合格率(2014年度)
  • 表4:各塾の在籍者数に対する合格者比率(2014年度)
 2014年度の各進学塾の合格実績がほぼ確定してきた。そこで、首都圏で人気の5つの進学塾「日能研、SAPIX(サピックス)、四谷大塚、早稲田アカデミー、希(のぞみ)学園」について、3月5日時点の速報値を基に難関校・上位校の合格実績を比較し、それぞれの合格力を見ていく。

 合格実績の比較対象とする中学校は次のとおり。難関校としては、男子校の「開成・麻布・駒場東邦・栄光学園・聖光学院・浅野・筑波大付属駒場・慶應義塾普通部・早稲田中」、女子校の「桜蔭学園・女子学院・雙葉学園・豊島岡女子学園・フェリス女学院・白百合学園」、共学校の「慶應義塾中等部・早稲田実業・渋谷教育学園幕張・県立千葉・都立小石川」、そして上位校としては、男子校の「武蔵・攻玉社・巣鴨学園・城北・芝・本郷・サレジオ学院・桐朋」、女子校の「鴎友学園・学習院女子・横浜雙葉学園・横浜共立学園・立教女学院・洗足学園」、共学校の「青山学院・都立武蔵・明大明治」の合計37校だ(※1)。これらの中学校は、対象塾が必ずしも首都圏全域で展開している塾ばかりでないため、広い地域から受験生が集まる人気校という条件で、リセマムが独自にピックアップした。

 表1に、中学校別の定員(※2)と塾別の合格実績を示す(※3)。難関校計の1位はSAPIX(2,915人)で、2位が日能研(1,272人)、3位が四谷大塚(1,201人)、4位が早稲田アカデミー(1,084人)、5位が希学園(63人)となっている。男子新御三家(開成・麻布・駒場東邦)に絞ってみると、順位は難関校計と同じだが、1位のSAPIXは、2位の日能研の約3倍にもなる611人もの合格者を出している。また、難関男子校の全9校のうち、SAPIXは8校で最多合格者を出している。唯一、早稲田は四谷大塚が最多であった。

 女子御三家(桜蔭・女子学院・雙葉)は、1位がSAPIX、2位が四谷大塚、3位が早稲田アカデミー、4位が日能研、5位が希学園となっている。本調査を開始した2011年度から初めて、2位と3位が入れ替わった。また、難関女子校の全6校のうち、SAPIXは5校で最多合格者を出している。唯一、フェリスは日能研が最多であった。

 難関共学校では、全5校のうちSAPIXは4校で最多、早稲田実業は今年も早稲田アカデミーが最多であった。

 上位校計については、前年と変わらず1位がSAPIX(1,442人)で、2位が四谷大塚(1,338人)、3位が日能研(1,257人)、4位が早稲田アカデミー(931人)、5位が希学園(46人)となり、難関校の順位とは2位と3位が逆転している。

 表2は、表1のそれぞれの合格人数を各中学校の定員数で割り、中学校別・塾別の合格率として計算した結果である(合格者数が定員より多い中学校もあるため、100%を超える場合もある)。塾別に見てみると、SAPIXが全37校のうち26校で最高値を獲得。これに四谷大塚の6校、日能研の4校、早稲田アカデミーの2校と続く(同数の最多があるため合計は37にならない)。SAPIXの最高値は、特に難関校において他塾を大きく引き離しているのが特徴的だ。

 表3は、表2の37校を難関・上位別に、男子校・女子校・共学校でまとめた。難関校においてはすべて、SAPIXが最多であるが、上位校では、男子校のみSAPIXで、女子校は日能研、共学校は四谷大塚が最多となっている。

 表4は、在籍者数を公表しているSAPIX、早稲田アカデミー、希学園の3塾について、在籍者数に占める合格者比率を計算した。SAPIXは、4,853人のうちの60.1%が難関校に合格しており、上位校を合わせると89.8%になる。早稲田アカデミーは、約4,000人のうち難関校が27.1%、上位校を合わせると50.4%になる。また、希学園は、134人のうち難関校が47.0%、上位校を合わせると81.3%になる。

※1 中学校の選択について:難関校・上位校は比較のためにリセマムが独自にピックアップしたものであり、公式に定義されているものではない。
※2 中学校の定員について:2014年度の東京・神奈川・千葉の各自治体の発表資料、および中学校の募集要項を基に算出している。また、発表されている帰国生の数を含む。詳しい内訳および2015年度の募集人員等については、各中学校に問合せてほしい。
※3 塾の合格実績について:それぞれのWebサイトから得た2014年3月5日現在の情報。最新の情報については各塾に問合せてほしい。また、合格実績の定義は、塾生をどの範囲まで含めるか、また重複合格者をどうカウントするか等によって異なる。ここでは各塾が公表している数値をそのまま使用している。
《柏木由美子》

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