幼児期の「親の関わり」が鍵、学ぶ力を育てる家庭教育とは…ベネッセ教育総合研究所

 3月8日、ベネッセ教育総合研究所は「幼児期から小学1年生の家庭教育・横断調査」の結果を発表した。生活習慣や「がんばる力」、言葉が身についている児童・生徒ほど自ら進んで勉強する傾向が強いことがわかった。

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 3月8日、ベネッセ教育総合研究所は「幼児期から小学1年生の家庭教育・縦断調査」の結果を発表した。生活習慣や「がんばる力」、言葉が身についている児童・生徒ほど自ら進んで勉強する傾向が強いことがわかった。

 「幼児期から小学1年生の家庭教育・縦断調査」は2012年からベネッセ教育総合研究所が継続的に行っている調査。2015年3月に実施した第3回調査では母親544人を対象に、年少児から小学1年生に至るまでの推移を生活時間や家庭での父母の関わりや役割、学校生活といったジャンルでデータ化した。同じ家庭を数年にわたって調査しているデータのため、幼児期の関わりや生活習慣などが、子どもの学習態度などにどう影響していくかの変化がわかる。

◆親の関わりは子どもの「がんばる力」に影響

 3月8日に東京都千代田区で行われた調査結果発表会では、ベネッセ教育総合研究所所長の谷山和成氏、次世代育成研究室室長の高岡純子氏、同研究室研究員の田村徳子氏が登壇し、ベネッセ教育総合研究所のミッションや調査報告などを行った。ベネッセ教育総合研究所によると、2016年の「幼児期から小学1年生の家庭教育・縦断調査」における最新調査報告では、以下のような大きな傾向が見られたという。

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1、年長時期に、生活習慣や、がんばる力、言葉などが身についてる子どもは、小学1年生で自ら進んで勉強する傾向が強い。

2、年長時期に親が子どもの意欲を尊重していると、子どものがんばる力、言葉の力が高まっている。

3、年少で生活習慣を身に着けることにより、年中で学ぶ力につながり、年長の“文字・数・思考”の力を育てていく。
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 特に、「2」は、年長児期の子どもに親がどう関わっているかで、子どもの「がんばる力」に明らかな差が出たという。「がんばる力」とは、「物事をあきらめずに、挑戦することができる」「一度始めたことは最後までやり通せる」「自分でしたいことがうまくいかないときでも、工夫して達成しようとすることができる」「どんなことに対しても、自信をもって取り組める」の4項目から算出し、平均を出したもの。これらの力は、小学校において「勉強してわからないことがあっても、自分で考えて、自らの力で解決を試みる」姿勢として非常に重要なものになってくる。

 「がんばる力」を育てるためには、「子どもが自分でやろうとしているとき、手を出さずに最後までやらせる」ことや、「指図せず、子どもに自由にさせる」といった子どもの意欲を尊重するといった親の態度が、幼児期から必要である。

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《相川いずみ》

教育ライター/編集者 相川いずみ

「週刊アスキー」編集部を経て、現在は教育ライターとして、ICT活用、プログラミング、中学受験、育児等をテーマに全国の教育現場で取材・執筆を行う。渋谷区で子ども向けプログラミング教室を主宰するほか、区立中学校でファシリテーターを務める。Google 認定教育者 レベル2(2021年~)。著書に『“toio”であそぶ!まなぶ!ロボットプログラミング』がある。

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