【EDIX2016】教材コンテンツは成熟から爛熟へ? デジタル教科書は普及期に

教育ICT 先生

CoNETSのブース
  • CoNETSのブース
  • CoNETSでも模擬授業は人気
  • CoNETSのブース
  • デジタル教科書の展示(CoNETS)
  • Z会のブース
  • Z会は「Edmodo」を中心に、主要商品・サービスを展示
  • 手元のタブレットとディスプレイを連動して教材を表示可能(Z会)
  • ベネッセのブース
 「第7回 教育ITソリューションEXPO(EDIX:エディックス)」では、「学校業務支援」「eラーニング」「教材・教育コンテンツ」「ICT機器」などのゾーンが用意されている。「教材・教育コンテンツ」ゾーンは、“中身”であるコンテンツを扱うゾーンだ。

 大手から新規参入、海外メーカーまで入り乱れる「ICT機器」領域、汎用性のあるシステムとして提供される「eラーニング」領域と異なり、「教材・教育コンテンツ」は、地味な部分もありつつ、各社の戦略やポテンシャル、さらには教育ICT全体の現状が透けてくるゾーンだと言っても過言ではないだろう。

 このゾーンには、デジタル教科書・デジタル教材を中心に、教育用ビデオ、教育ソフト、学術情報データベースなどが含まれる。各教材の映像版、オンデマンド版、Web版、電子黒板版なども含まれる。

 展示ブースを俯瞰すると、教科書会社13社と日立製作所が参加する「CoNETS」のほか、Z会、ベネッセ、朝日新聞社、NHKエデュケーショナルといった、納得の顔ぶれが目立つ。ヤマハおよびヤマハミュージックジャパンの2ブースを設置しているヤマハは一瞬違和感を覚えるが、「ヤマハ音楽教室」の歴史がある。電子楽器、さらにはネットワーク機器製造でも定評があり、EDIXでの展示は自然なことだ。実際、ヤマハブースはICT教材を使った音楽授業、ヤマハミュージックジャパンは、電子楽器などを用いて練習する軽音楽部向けの「バーチャルリハーサルスタジオ・システム」と、方向性がわかれている。こういうところも、企業の戦略が見えてくるところだ。

 CoNETSは、各社のデジタル教科書を展示するとともに、模擬授業を実施。ブースの広さも相まってかなりの集客を見せていたが、ブース内が各社ごとにわかれており、その展示もディスプレイとタブレットで見せるシンプルなものが多く、少し物足りなかった。このへんは、「出版社の展示会」などに通じるもので、書籍系コンテンツについて、内容をアピールする展示の難しさを感じさせた。

 Z会は、先生・生徒・保護者ごとに機能を切り分けたSNS型の教育プラットフォームサービス「Edmodo」を中心に、主要商品・サービスを展示。小・中・高のそれぞれで「Z会学習アプリ」をラインアップし、最新のIT事情にもキッチリ対応している姿勢を提示した。Z会ラーニングテクノロジも共同出展しており、2月にリリースした、教科指導・進路指導・校務を含めた学習支援サービス「StudyLinkZ」のデモを行っていた。

 ベネッセは、子会社のClassiを通じ展開する授業支援プラットフォーム「Classi」を中心にブースを構成。今夏からの提供を目指しているアダプティブラーニング「Knewton」について、実証研究事例を紹介していた。Classiは、ソフトバンクとベネッセにより2014年4月に合弁会社として設立され、人気問題集が使い放題の教材配信サービス、1万本以上の教材動画の提供などを行っている。

 3月に上場したばかりのチエルは、EDIXを好機と捉え展開に注力。ブースの広さは昨年の1.5になったという。また展示方法を見直し、小中と高大の段階ごとに、学習支援・教材・インフラという3つの視点で構成する形となった。内容面では、授業支援「CaLabo」(大学・高校向け)のほか、教務支援「らくらく先生スイート」(小中学校向け)、デジタル教材を提示し、来訪者の反応を集めていた。

 朝日新聞社は、eラーニング教材「ことばトレーニング」、大学・法人向け教育動画制作サービス「AMOOC」、朝日新聞フォトアーカイブ、動画サービスの「朝日こどもニュース」など、ブランド力を活かした幅広い提案を行っていた。また、NHKエデュケーショナルは、いよいよ本格的な普及段階になった4K映像を駆使した映像教材をプッシュ。さまざまな素材の上映を行っていた。

 そのほかには、すららネット、イースト、ウイネット、モリサワ、デジタルハリウッド、共同印刷が手堅く自社の最新動向を披れきしていた。

 「教材・教育コンテンツ」は、いきなり革新的な変化などが生まれにくい領域だ。そのため、展示内容についても、よく言えば安定感、悪く言えばマンネリ感が否めないという空気もある。ここにあげたような会社はともかく、伝え方がもったいないと感じるコンテンツが多々あった。

 コンテンツそのものの内容に斬新さは求めないにしても、「展示方法」というよりも「教育業界に対する訴求方法」において、より洗練された方法を考案する必要はあるかもしれない。それは、教育現場の人たちに、自社コンテンツの内容や良さを“刺さる”形で伝えることになるはずだ。
《冨岡晶》

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