デジタル教科書のための新書体6月発売、ロービジョンにも配慮

教育ICT その他

 デジタルフォントの開発・販売などを行うモリサワグループのタイプバンクは、デジタル教科書のための新しい書体「UDデジタル教科書体」を6月に発売する。新書体は、ロービジョン(弱視)などに配慮したデザインで、障害者差別解消法の理念にもとづき設計されている。

 「UDデジタル教科書体」は、学習指導要領に準拠し、書き方の方向や点・ハライの形状を保ちながら、太さの強弱を抑えた新書体。2016年度より施行された障害者差別解消法の理念にもとづき設計されたデザインは、ロービジョン(弱視)やディスレクシア(読み書き障害)にも配慮されている。

 硬筆やサインペンを意識し、手の動きを重視した教科書体で、明朝体・ゴシック体などの従来の学参字形の不自然さをなくしている。各教科書体メーカーの教科書と書写を調査し、より一般的な字形を定めているほか、同じ部首や同系列の構成要素を持つ漢字字形をルール化。バラツキをなくすことによって、1つの書体としてのデザインを統一化した。

 書体デザイン原案の作成にあたり、特別支援教育に携わる教員や拡大写本ボランティアなどにもヒアリングを実施。また、ロービジョン(弱視)研究の第一人者である慶應義塾大学大学院社会学研究科の中野泰志教授が実験や調査を行った。

 タブレット画面での見やすさを検証した実験では、15人の弱視者が異なるフォントで作成した教科書体とUDデジタル教科書体を比較。「UDデジタル教科書体」がもっとも見やすい書体であるという結果だった。特に、まぶしさを感じている弱視者にとって効果的であることがわかったという。

 また、弱視生徒や視覚支援学校の教員に対して行ったアンケートやヒアリング調査では、4種類の教科書体で作成したサンプル教科書を見比べて、読書に適しているかどうかを順位付けした。その結果、弱視生徒・教員のいずれからも「UDデジタル教科書体」がもっとも読書に適しているという結果が得られた。

 「UDデジタル教科書体」は6月より販売予定。詳細なカタログは、タイプバンクWebサイトでダウンロードできる。書体のカスタマイズ対応も可能で、詳細はタイプバンクに問い合わせが必要。
《外岡紘代》

【注目の記事】

編集部おすすめの記事

特集

page top

旬の教育・子育て情報をお届け!(×をクリックで閉じます)