【NEE2016】ICT機器ゾーン、保護者の声を反映した新システム登場

 最近の運動会では、かけっこの順位に保護者がビデオ判定しろとクレームをつけてくることもあるそうだ。運動会での順位付けや判定方法については、さまざまな立場や意見があ理想だが、保護者も先生も納得のシステムがNEEの会場でデモされていた。

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モンペも黙る、かけっこ計測システム(撮影:中尾真二)
  • モンペも黙る、かけっこ計測システム(撮影:中尾真二)
  • 滋賀県の小学校では90%以上の児童が「楽しい」と前向き評価(撮影:中尾真二)
  • システム構成図(撮影:中尾真二)
  • ゴール端末。結果はスタート地点にも送られ、ログファイルを残せばタイムアップのモチベーションにも(撮影:中尾真二)
  • スタート端末。アプリの合図でスタートする(撮影:中尾真二)
  • 屋外なので、計測データのやり取りに免許不要の特小無線を使う。また、コントロールボックスのほとんどはバッテリー。校庭のどこに設置しても良い(撮影:中尾真二)
 最近の運動会では、かけっこの順位に保護者から「ビデオ判定してほしい」との意見があがる場合があるそうだ。6月2日から東京・有明の東京ファッションタウンビル(TFT)で行われている「New Education Expo 2016(NEE2016)」では、デジタルの力を生かし、そのような保護者や先生の意見に応える納得の最先端システムがデモ展示されていた。

 「New Education Expo 2016(NEE2016)」の展示ゾーンのうち、最新タブレットPCやタブレット、電子黒板、プロジェクターなど、授業をサポートするICT機器や用具・備品を各種取り揃えて展示している「ICT機器・アクセサリ」ゾーンでは、パナソニックシステムネットワークス社が「かけっこ計測システム」を展示していた。

 「かけっこ計測システム」の構成は、タブレット2台(スタート、ゴール)、靴に取り付けるICタグ、センサーつきの計測マット(ゴール用)、特定小電力無線を装備したコントロールボックス。タブレットには、専用アプリをインストールし、計測タイムを管理したり、集計したりできる。

 スタート地点の端末(アプリ)の合図で、靴にICタグを取り付けた生徒がスタートし、ゴールのマットを靴が通過すると、タイムが計測され、コントロールボックスが端末のアプリにデータを送る。マットは、必ず踏まなくても計測が行われる仕組み。結果はスタート、ゴール地点の端末にリアルタイムで送られるので、すぐに結果がわかる。ICタグを出席番号などと紐付けておけば、計測結果のログも残せる。これによって、生徒はタイムアップなどのモチベーションアップにもつながるという。

 「かけっこ計測システム」は、まだ開発中のため参考出品段階だが、滋賀県草津市立小学校で実証実験を行い、機能の改善と商品化の可能性を探っている。実証実験では、98%の生徒がこれからも使ってみたいと感想を述べ、96%が運動が楽しくなった、94%がもっとタイムを縮めたいと答えたそうだ。持久走での実験では、計測後タイムを見て、もう1回走りたいという生徒もいたそうだ。

 なお、計測マットは6つまで連結でき、8人くらいまで同時スタートの運動会の利用も不可能ではないそうだ。NEE「ICT機器・アクセサリ」ゾーンでは、このほかにも最新のICT教育教材、機器が多数展示されている。
《中尾真二》

中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。エレクトロニクス、コンピュータの専門知識を活かし、セキュリティ、オートモーティブ、教育関係と幅広いメディアで取材・執筆活動を展開。ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から使っている。

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