H29年度運用の新奨学金、日弁連が「見直し」要求

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 政府が2017年度(平成29年度)からの運用開始を目指している日本学生支援機構(JASSO)の「所得連動返還型奨学金制度」について、日本弁護士連合会は7月19日、利用者負担の少ない制度への見直しを求め、文部科学大臣などに意見書を提出した。

 新たな所得連動返還型奨学金制度の創設については、文部科学省の有識者会議において議論が続けられている。3月31日公表の「第一次まとめ」によると、所得が一定額になるまでは所得額にかかわらず2,000円を返還する方針が示されている。所得がない場合や年収300万円以下の場合は、返還猶予が申請できるが、申請可能年数は通算10年とされている。

 これに対して意見書では、返済を開始する最低所得・収入額を「年収300万円(給与所得者以外は年間所得200万円)以上」と設定し、最低返還月額を設けないよう求めている。また、返済開始最低所得額を設けず、最低返還月額を設定する場合には、返還猶予制度の簡素化や周知徹底などをすべきと指摘。一定の返済期間や年齢を定め、それを超えた場合は返済を免除することも求めている。

 日本弁護士連合会によると、2015年11月18日に行った「全国一斉奨学金問題ホットライン」には773件の相談が寄せられた。「学びの機会を保障して人生を支援するはずの奨学金が、事実上、学資ローンと化し、その返済が利用者の大きな負担となって、苦しい状況にさらに追い打ちをかけ、結婚や出産など人生の大切な選択をも制限する事態が招来している」という。

 日本弁護士連合会では、所得連動返還型奨学金制度について、第一次まとめの内容から「返済困難者が無理な返済を強いられる危険が高い制度設計」と危惧。真に利用者の返済に対する不安や負担を軽減する制度創設を求めるとして、文部科学大臣、日本学生支援機構理事長、所得連動返還型奨学金制度有識者会議座長宛てに7月19日付で意見書を提出した。「2017年度の運用開始にこだわらず、十分に議論を尽くすべきである」と意見している。
《奥山直美》

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