花粉症の子ども3割超、アトピーの3倍以上…果物でかゆみも

 花粉症の子どもは3割を超え、アトピー性皮膚炎の3倍以上にのぼることが、ロート製薬が実施した「子どもの花粉症」調査の結果から明らかになった。「果物を食べてかゆみを感じたことがある」という口腔アレルギー症状群の症状は、花粉症の子どもの2割にあった。

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 花粉症の子どもは3割を超え、アトピー性皮膚炎の3倍以上にのぼることが、ロート製薬が実施した「子どもの花粉症」調査の結果から明らかになった。「果物を食べてかゆみを感じたことがある」という口腔アレルギー症状群の症状は、花粉症の子どもの2割にあった。

 「子どもの花粉症」調査は2016年11月15日~20日、全国の0~16歳までの子どもを持つ親を対象にインターネットで実施。1,872名から回答を得た。

 「子どもが花粉症だと思う」と親が実感している子どもは31.5%で、3年連続で3割を超えた。一方、「アトピー性皮膚炎」(9.9%)や「喘息」(8.0%)は減少傾向にあり、アトピー性皮膚炎と比較すると、花粉症の子どもは3倍以上となった。花粉症の症状が出る季節は、「春」が85.8%と圧倒的に多かった。

 口腔アレルギー症状群の症状である「果物を食べて口や唇、喉にかゆみやピリピリ感・イガイガ感を感じたことがある」という子どもは、全体の13.5%。花粉症の子どもに限ると、20.6%にのぼった。症状が起きたときに食べていた果物は、「リンゴ・桃・キウイ」がもっとも多く、花粉症で口腔アレルギー症候群の症状がある子どもでは半数に達した。

 ロート製薬によると、口腔アレルギー症候群とは特定の果物や野菜などを食べることで、口・唇・喉の口腔粘膜や周辺にイガイガ感やかゆみなどのアレルギー症状を起こすこと。花粉症の原因物質(アレルゲン)と似た物質が果物や野菜の中に含まれるため、花粉症の人は口腔アレルギー症候群が起こりやすいといわれており、生の果物や野菜を食べたときに発症することがある。

 花粉との関連が報告されている食べ物は多数あり、代表的なものに「リンゴ・桃・キウイ」(ハンノキやシラカバなどの花粉)、「スイカやメロン」(カモガヤ、ブタクサなどの花粉)があるという。

 大阪府済生会中津病院小児科 免疫・アレルギーセンターの医師、末廣豊氏は「花粉症は生命を脅かすことはまずないが、集中力低下など生活の質(QOL)を著しく損なう。小児の花粉症の症状は、鼻水や連続するくしゃみが出るというより、ぼーっとしているなど、他人からはわかりづらいという特徴があるので、周囲の大人が注意してあげることが大切」と話している。
《奥山直美》

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