文部科学省は毎年秋ごろ、国公立大学の入学者選抜について各大学が7月末までに公表した入学者選抜要項などに基づき、その概要を取りまとめて公表している。10月25日には平成30年度における国公立大学入学者選抜に関する概要を公開。入学者選抜を実施する大学・学部数や募集人員、AO入試や推薦入試を実施する大学・学部数などについてまとめた。
平成30年度 国公立大学入学者選抜の実施大学・学部数と募集人員
平成30年度の入学者選抜は、国立82大学399学部、公立87大学193学部の計169大学592学部で実施する。前年度(平成29年度)入学者選抜を実施した168大学579学部から1大学13学部増。募集人員は国立9万5,327人、公立3万264人、計12万5,591人。
平成30年度 国公立大学入学者選抜の選抜方法別実施状況
国公立大学入学者選抜の選抜方法は「一般入試」「AO入試」「推薦入試」「帰国子女入試」「社会人入試」など、全7方式に分かれる。AO入試とは、詳細な書類審査と面接を組み合わせ、入学志願者の能力や適性、学習に対する意欲などを総合的に判定する入試方式のこと。推薦入試は、出身の高等学校長の推薦に基づき、原則として学力検査を免除し、調査書をおもな資料として入学可否を判定する入試方法を指す。
平成30年度国公立大学入学者選抜 AO入試の実施大学・学部数
アドミッションオフィス入試(AO入試)を実施する大学を見ると、実施大学・学部数は国公立全体の50.3%にあたる85大学240学部。内訳は国立56大学192学部、公立29大学48学部。国立大学は全体の68.3%、公立大学は全体の33.3%にあたり、いずれも前年度(平成29年度)の国立大学64.6%、公立大学30.2%より上昇している。
AO入試を実施する学部数は増加傾向にある。平成16年度からの実施状況を見ると、国公立大学全体では平成16年度18.6%の実施率だったのが、平成30年度には50.3%に達した。特に、学部数の伸びを見ると、公立大学は平成16年度に6.8%だったところ、平成30年度には24.9%まで上昇した。
平成30年度入学者選抜から新たにAO入試を実施する大学・学部は、北海道大学(総合入試/文系、総合入試/理系)、千葉大学(法政経、工、園芸)、豊橋技術科学大学(工)、広島大学(情報科、法)、香川大学(創造工)、九州大学(共創)、首都大学東京(人文社会、経済経営、理)、横浜市立大学(データサイエンス)、都留文科大学(教養)など。
平成30年度国公立大学入学者選抜 推薦入試の実施大学・学部数
推薦入試を実施する大学・学部数はそれぞれ、国立77大学286学部、公立85大学181学部、計162大学467学部。国公立全体では95.9%、学部全体では78.9%が推薦入試を実施している。
平成30年度入学者選抜から新たに推薦入試を実施する大学・学部は、東京医科歯科大学(歯)、一橋大学(経済、法、社会)、岡山大学(教育)、広島大学(経済、薬、生物生産)、九州大学(共創)、首都大学東京(人文社会、法、経済経営、理)、横浜市立大学(データサイエンス)など。
平成30年度 国公立大学入学者選抜の日程
国公立大学入学者選抜の一般入試受験生は今後、平成30年1月13日(土)・14日(日)に大学入試センター試験を受験する。個別学力検査は、1月22日(月)から31日(水)までに出願を受け付ける。前期日程試験は2月25日(日)から、後期日程試験は3月12日(月)以降に実施する。公立大学のみ、中期試験を3月8日(木)以降に実施予定。
合格発表はそれぞれ、前期日程のうち国立大学が3月6日(火)から10日(土)まで、公立大学が3月1日(木)から10日(土)まで。後期日程は3月20日(火)から24日(土)までに発表する。中期日程の合格発表は3月20日(火)から23日(金)まで。