H29年度「英語教育実施状況調査」中高生の英語力、目標値達成者は4割

 文部科学省は平成30年4月6日、平成29年度「英語教育実施状況調査」の結果を公表。生徒の英語力について、中学校・高校ともに第2期教育振興基本計画の目標値に届かない結果となった。なお、都道府県別では、福井県がいずれも達成している。

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 文部科学省は平成30年4月6日、平成29年度「英語教育実施状況調査」の結果を公表。生徒の英語力について、中学校・高校ともに第2期教育振興基本計画の目標値に届かない結果となった。なお、都道府県別では、福井県がいずれも達成している。

 調査の対象は各都道府県・市区町村教育委員会およびすべての公立小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校。都道府県・指定都市教育委員会を通して調査を実施。特に指定がない場合、平成29年12月1日を調査実施基準日とする。

 第2期教育振興基本計画では、中学校卒業段階での英検3級程度(CEFR A1レベル)以上を達成した中学生の割合50%、高等学校卒業段階での英検準1級程度(CEFR A2レベル)以上を達成した高校生の割合50%を目標としている。

 平成29年度調査の結果によると、中学校3年生のうち、英検3級以上を取得または相当の英語力を有すると思われる生徒は40.7%。前年度より4.6ポイント上昇したが、目標値より10ポイントほど低い結果となった。

 都道府県・指定都市別の割合では、福井県の62.8%がもっとも高く、さいたま市58.9%、横浜市54.0%、福岡市53.2%と続いた。そのほか、東京都51.6%、石川県50.2%、大阪市52.2%、熊本市51.3%が目標を達成。前年度(平成28年度)からの上昇率を見ると、福井県16.3ポイント増、熊本市14.5ポイント増、大阪市13.3ポイント増、さいたま市13.1ポイント増の順に高い。

 高等学校3年生のうち、英検準2級以上を取得または相当の英語力を有すると思われる生徒は39.3%。前年度より2.9ポイント上昇したが、中学校と同様、目標値より10ポイントほど低い結果だった。

 都道府県・指定都市別では、福井県52.4%のみ目標を達成。ついで富山県49.1%、兵庫県45.3%、神奈川県45.2%、千葉県44.9%、岡山県44.5%、沖縄県44.3%、広島県44.1%となった。前年度(平成28年度)からの上昇率を見ると、愛媛県10.2ポイント増、山形県8.2ポイント増、岡山県7.9ポイント増、福井県7.6ポイント増の順に高い。

 一方、教師の英語力に関する目標は、英検準1級程度(CEFR B2レベル)以上を取得した英語担当教師の割合は中学校で50%以上、高等学校で75%以上。

 平成29年度調査の結果によると、英検準1級程度以上のスコアなどを取得している英語担当教師は、中学校全体で33.6%、高等学校全体で65.4%。前年度(平成28年度)と比べ、中学校は1.6ポイント、高等学校は3.2ポイント上昇した。

 目標値を達成している都道府県・指定都市を見ると、中学校では福井県62.2%、広島市53.6%のみ。そのほか、目標値には達していないものの、徳島県49.6%、東京都48.0%、横浜市47.7%などが高い。高等学校では、14県が目標値を達成。福井県と香川県の91.3%がもっとも高く、石川県89.3%、宮崎県85.1%、佐賀県84.8%と続いた。

 このほか、授業において、教師が発話の50%以上を英語で行っている割合は、中学校1年生で70.1%、2年生で68.4%、3年生で67.5%。高校は普通科46.8%、英語教育を主とする学科で85.2%など。外国語指導助手(ALT)が活用されている授業時数の割合は、小学校5・6年生で62.4%、中学校で21.9%、高等学校で10.8%だった。
《黄金崎綾乃》

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