第一興商と東洋大学は2018年8月8日、洋楽カラオケ歌唱による英語発音向上に関する調査を実施し、カラオケ歌唱によって英語発音が向上することを発表した。 第一興商は、東洋大学総合情報学部教授・湯舟英一氏とビッグアップルカンパニー社が共同開発した英語発音表記システム「Nipponglish(ニッポングリッシュ)」を洋楽カラオケで利用できるサービスを2017年10月から提供している。 「Nipponglish」は、英語音声学理論に基づき英語曲のテロップ歌詞にカタカナルビを付したもの。オリジナルの歌声を聞こえるままにカタカナで表し、前後の単語がつながって発音が変わる「リンキング」や強勢アクセントをカナの大小で表現するなど、視覚的にネイティブライクな発音を補助するツールだという。 洋楽カラオケ歌唱による英語発音向上に関する調査では、東洋大学の学生74名と第一興商に勤務する社会人49名の計123名を対象に、Nipponglishの英語発音向上効果について音読と歌唱による検証実験を実施した。 調査の結果、英語の音変化を含んだ英語テキストのみのファイルと、同様の英語テキストにNipponglishのカタカナを付与したファイルをそれぞれ音読して録音した音声データを、TESOL資格保持者が比較評価したところ、被験者の83%においてNipponglishのカタカナ表記が付与されているとネイティブライクな発音になることがわかったという。 両者は、従来のスピーキングおよびリスニングの学習方法と対策はネイティブの発音を聞いて覚える「Listen&Repeat」の繰返しだったところ、ネイティブの言い回しは「音ズレせずに英語曲を歌う」という学習法で自然と身に付けられると分析。この結果を用い、第一興商と東洋大学は今後、英語教育におけるカラオケ活用を推奨するとしている。