子どもの自殺、8月下旬から要注意…24時間体制やLINEを活用した相談窓口も

 悩みを抱える子どもは、夏休みが終わる8月下旬から2学期が始まる時期に不安定となる傾向があるという。文部科学省やチャイルドラインなど、さまざまな機関が相談窓口を設置し、子どもや保護者の相談を受け付けている。問題の深刻化を防ぐためにも、ぜひ活用してほしい。

生活・健康 その他
文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」
  • 文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」
  • 法務省「子どもの人権110番」
  • チャイルドライン
  • 東京都教育委員会「SNSによる教育相談」を実施します-LINEによる相談窓口を試行的に開設-
  • 北海道教育委員会「SNSを活用した相談体制検討事業」
  • 大阪府教育委員会「LINEを活用した教育相談の実施について」
 悩みを抱える子どもは、夏休みが終わる8月下旬から2学期が始まる時期に不安定となる傾向があるという。文部科学省やチャイルドラインなど、さまざまな機関が相談窓口を設置し、子どもや保護者の相談を受け付けている。問題の深刻化を防ぐためにも、ぜひ活用してほしい。

 文部科学省の「24時間子供SOSダイヤル」は、いじめ問題やそのほかの子どものSOS全般に悩む子どもや保護者がいつでも相談できるよう、24時間体制で相談に応じている。電話番号は「0120-0-78310(なやみ言おう)」。原則として、電話をかけた所在地の教育委員会の相談機関に接続される。1人で悩まず、いつでもすぐに電話で相談してほしいという。

 法務省が設置する「子ども人権110番」は、平日午前8時30分から午後5時15分まで相談を受け付ける。子どもだけでなく大人も利用可能。法務局・地方法務局の職員、または人権擁護委員が相談に応じる。電話番号は「0120-007-110」。スマートフォンでは、法務省Webサイトの「子どもの人権110番」に掲載された画像をクリックだけで電話がかけられる。また、インターネットでも相談を受け付けている。

 18歳以下の子どもための相談先として、「子どもの権利条約」の理念を大切にする「チャイルドライン」がある。電話での相談は、2018年8月22日から9月4日まで受付時間を拡張し、午後2時から午後11時まで話すことができる。インターネット(チャット)による相談は、2018年8月29日から9月4日の午後4時から午後9時まで毎日実施される。おしゃべりしたいだけなど、ちょっとしたことでも相談可能。秘密を守ることを大切にしており、切りたいときには電話を切ってもいいという。

 また、各地域でも相談窓口を設置しており、中・高生の生活ツールにもなっている無料通話・メールアプリ「LINE」を活用した相談窓口を試行的に実施する地域もある。

 東京都では、教育委員会がSNSを利用した教育相談を試行的に実施。都立高校生などを対象に、LINEによる相談窓口を期間限定で開設する。期間は2018年8月25日から9月7日の午後5時から午後9時まで。また、都の相談窓口「こたエール」では、電話・メールにて子どものネットトラブルの相談を受け付けている。

 北海道教育委員会は、2018年8月17日から31日まで、期間を限定して「高校生のためのどさん子ほっとLINE」を実施。受付時間は午後4時から午後9時まで。多様な選択肢を用意することについて検討するため、2018年度は道立高校の生徒を対象に試行実施するという。

 大阪府教育委員会のLINEを活用した教育相談は、2017年度の試行実施を経て、2018年度は府内すべての中学校、高校などの生徒に対象を拡大。実施期間の第2期として、8月19日から9月9日の午後6時から午後9時まで相談を受け付ける。

 自殺総合対策推進センターが2018年8月7日に公表した、通学適齢期の自殺者数についての分析によると、直近10年のデータでは8月下旬と9月上旬に自殺者が多く、8月下旬にピークが見られるという。子どもも保護者も、学校のことや友人関係で悩み・不安を感じたら、1人で抱え込まずに相談してみてほしい。
《黄金崎綾乃》

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