タミフル、10代患者への投与再開へ…幅広く注意喚起

 厚生労働省は2018年8月3日、「抗インフルエンザウイルス薬の安全対策について」を公表。10代患者へのタミフルの使用を原則差し控える措置について審議を重ねた結果、その必要性が乏しいことから10代患者への投与を再開することを決定した。

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 厚生労働省は2018年8月3日、「抗インフルエンザウイルス薬の安全対策について」を公表。10代患者へのタミフルの使用を原則差し控える措置について審議を重ねた結果、その必要性が乏しいことから10代患者への投与を再開することを決定した。

 抗インフルエンザウイルス薬「タミフル」は、2007年に服用した中学生が転落死するという事例が2件発生し、大きく報道された。当時、タミフル服用と異常行動との因果関係は不明であったが、異常行動の発現のおそれを医療機関へ注意喚起するとともに、予防的措置として10代患者への原則服用差し控え措置が実施された。

 リレンザやラピアクタ、イナビルといったほかの抗インフルエンザウイルス薬は、10代患者への原則使用差し控え措置はなく、異常行動の発現のおそれに係る注意喚起のみ、添付文書の重要な基本的注意欄に記載されている。

 2018年5月16日と7月13日に行われた安全対策調査会では、これまでの経緯を踏まえ、2009年に取りまとめられた報告書以降の知見を整理。今後の抗インフルエンザウイルス薬の安全対策のあり方について審議された。

 調査会では、「抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無、種類に関わらず、インフルエンザ罹患時には異常行動が発現すること」「タミフルおよびほかの抗インフルエンザウイルス薬とも、発現頻度は10代と10代未満とで明確な差はないこと」を確認。このことから、タミフルの服用のみに異常行動と明確な因果関係があるとは言えないことが確認され、10代患者の原則使用差し控え措置をとる必要性は乏しいとされた。

 今後、生命に関わる重度の異常行動については、いずれの薬剤の服用時もインフルエンザ罹患時の患者全般に幅広く異常行動のリスクがあるという注意喚起を強め、より一層医療関係者、保護者への周知徹底を図っていく。

 その際、「タミフルの10代患者のみに強い注意喚起を行う状況は、ほかの薬剤がタミフルより安全だと誤って理解され、ほかの薬剤服用者を含むインフルエンザ罹患者に対する異常行動への注意が軽視される懸念」や、「学会のガイドラインでも、重篤な患者などには、タミフルの10代への投与の必要性が指摘されており、10代への原則使用差し控え措置を予防的に講じることが、治療機会の損失につながる懸念」を考慮して、すべての抗インフルエンザウイルス薬で整合性のある注意喚起をするべきだとしている。

 2018年冬のインフルエンザ流行シーズンに向けて、タミフルの10代患者の原則使用差し控え措置の削除など「抗インフルエンザウイルス薬の添付文書の改訂」や、「インフルエンザ罹患時の異常行動に関する注意喚起の徹底」が進められる。

 インフルエンザにかかったときは、飛び降りなどの異常行動を起こす恐れがあり、特に発熱から2日間は注意が必要だという。万が一の事故を防止するため、発熱から少なくとも2日間は、就寝中を含め、特に小児・未成年者が容易に住居外へ飛び出さないよう、「玄関やすべての部屋の窓を確実に施錠し、内鍵やチェーンロック、補助鍵がある場合は活用すること」「ベランダに面していない部屋で寝かせること」「一戸建てに住んでいる場合はできる限り1階で寝かせること」などを呼びかけている。
《外岡紘代》

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