全教「全国学力テストは直ちに中止すべき」…4割の学校で事前に特別な指導

 全日本教職員組合(全教)は2018年9月12日、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)実態調査アンケートの集計結果を発表した。2018年に実施した全国学力テストでは、44.4%の小中学校で事前の特別な指導を行っていることが明らかになった。

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  • 特別な指導の有無と具体的な指導内容
 全日本教職員組合(全教)は2018年9月12日、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)実態調査アンケートの集計結果を発表した。2018年に実施した全国学力テストでは、44.4%の小中学校で事前の特別な指導を行っていることが明らかになった。

 全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)実態調査アンケートは、2018年度の全国学力テスト実施状況について、全教・教組共闘連絡会が各都道府県組織を通じて各分会組織にアンケートを依頼し、代表者が回答。626校(小学校381校、中学校228校、そのほか10校、無回答7校)の回答を得た。回答のあった都道府県・政令市は、21都道府県・9政令市・228市区町村。調査期間は、2018年4月から6月。

 全国学力テストを実施するにあたり、事前の特別な指導を行った学校は、小学校で52.0%、中学校で32.9%、全体で44.4%にのぼる。事前の特別な指導を行った学校の具体的な指導内容は、「過去問題の指導をした」73.0%(小学校73.7%、中学校72.0%)、「春休みや4月に全国学力・学習調査を想定した宿題を出した」40.6%(小学校42.9%、中学校34.7%)、「全国学力・学習調査を想定した授業を行ったり予想問題を作成したりして指導した」14.0%(小学校15.7%、中学校10.7%)など。

 全国学力テストの結果がどのように利用されているか聞いたところ、「学校で解答をコピーし、独自に採点・分析している」34.7%(小学校37.8%、中学校30.7%)、「独自に採点はしていないが、分析している」30.7%(小学校31.2%、中学校30.3%)、「学校の平均点をWebサイトや学校便りなどで公表」18.4%(小学校17.6%、中学校20.6%)、「学級ごとの平均点をWebサイトや学校便りなどで公表」1.0%(小学校1.3%、中学校0.4%)。一方、「学校独自の利用は行っていない」は17.7%(小学校12.6%、中学校26.8%)だった。

 全国学力テストや自治体独自の学力テストの実施が及ぼす影響は、「出題傾向にそって、事前に指導をした」22.5%(小学校25.5%、中学校18.4%)、「実施する教科の授業の進度や学習単元の順を変更した」11.5%(小学校9.4%、中学校14.9%)、「実施する教科の授業時間数を増やした」9.3%(小学校12.3%、中学校4.8%)などの歪みをもたらしている。

 具体的には、「年度初めの多忙な時期に大変な作業量が求められる。授業スタートが技能教科など一週間遅れた」(中学校)、「異様な緊張感がある。学校ごとの順位は出さないのかと保護者からの問い合わせあり」(小学校)、「問題になれていないため、自信をなくす児童が多い。春の希望の雰囲気がいっぺんにふっとぶ。楽しい学校がみんなでつくれない」など、教職員や児童生徒に大きな負担となっていることが明らかになった。

 全教は、「今回の調査で、あらためて、『全国学力テスト』の実施と結果の公表が本来の学力とは無縁の点数獲得競争に子どもと教職員を駆り立て、本当の意味での学力が歪められていることが明らかとなりました。『全国学力テスト』は直ちに、中止すべきです。全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析することは数年ごとの抽出調査でも可能です」とコメントしている。
《工藤めぐみ》

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