医学部の地域枠、2,594人定員割れ…厚労省調査

 地域の医師不足解消を目的とした医学部の地域枠は、2008年度から2018年の11年間の合計募集数1万835人のうち、2,594人分が埋まらず定員割れしていたことが、厚生労働省の調査結果より明らかになった。

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地域枠の履行状況
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  • 地域の医師確保を目的とした都道府県地域枠
 地域の医師不足解消を目的とした医学部の地域枠は、2008年度から2018年の11年間の合計募集数1万835人のうち、2,594人分が埋まらず定員割れしていたことが、厚生労働省の調査結果より明らかになった。

 地域枠は、地域の医師確保を目的に、都道府県が大学医学部の学生に奨学金を貸与する制度。医師免許取得後、都道府県内の特定の地域や医療機関に貸与期間のおおむね1.5倍(9年間)の期間従事した場合、奨学金の返還が免除される。

 地域枠履行状況等調査は、各都道府県が奨学金を貸与する代わりに地域医療へ従事する「地域枠」の履行状況を調べたもの。調査対象は47都道府県、調査対象期間は2008年度から2018年度の11年間。

 地域枠学生の選抜方法は、一般枠と別枠の募集定員を設ける「別枠方式」と、一般枠などと共通で選抜し、事前または事後に地域枠学生を募集する「手挙げ方式」とに大別される。

 地域枠の履行状況は、11年間の合計募集数1万835人のうち、貸与実績は8,241人(76%)で、2,594人分が埋まらず定員割れした。方式別にみると、別枠方式は募集数5,956人、貸与実績5,290人(89%)、手挙げ方式は募集数4,879人、貸与実績2,951人(60%)だった。

 地域枠の離脱状況は、別枠方式では93%が義務履行すると推定されるのに対し、手挙げ方式だと82%しか義務履行されないと推定される。手挙げ方式は、地域枠の履行状況や離脱状況がよくないことから、厚生労働省の検討会では、都道府県や大学に対して「別枠方式」による地域枠を要請するとしている。
《工藤めぐみ》

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