「女性管理職30%」達成企業は7.5%…帝国データバンク

 「女性管理職30%」目標を達成している企業は7.5%にとどまることが2020年8月17日、帝国データバンクによる「女性登用に対する企業の意識調査」結果からわかった。女性の活躍促進のために重要なことは「妊娠・出産・子育て支援の充実」が最多であった。

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女性の割合(従業員・管理職・役員) (c) TEIKOKU DATABANK, LTD.
  • 女性の割合(従業員・管理職・役員) (c) TEIKOKU DATABANK, LTD.
  • 女性管理職割合の平均 (c) TEIKOKU DATABANK, LTD.
  • 「女性管理職30%」を超えている企業の割合 (c) TEIKOKU DATABANK, LTD.
  • 女性管理職・役員割合の増減 (c) TEIKOKU DATABANK, LTD.
  • 女性管理職・役員割合が「今後増加する」と見込む割合 (c) TEIKOKU DATABANK, LTD.
  • 女性登用の状況 (c) TEIKOKU DATABANK, LTD.
  • 女性登用を進めた効果 (c) TEIKOKU DATABANK, LTD.
  • 女性の活躍促進のために重要なこと (c) TEIKOKU DATABANK, LTD.
 「女性管理職30%」目標を達成している企業は7.5%にとどまることが2020年8月17日、帝国データバンクによる「女性登用に対する企業の意識調査」結果からわかった。女性の活躍促進のために重要なことは「妊娠・出産・子育て支援の充実」が最多であった。

 「女性登用に対する企業の意識調査」は2020年7月16日~31日、全国2万3,680社を対象に実施。有効回答企業数は1万1,732社。同調査は、2013年以降毎年行っている。

 自社の従業員に占める女性の割合は、平均25.8%。「30%以上」と回答した企業は31.5%と、比較可能な2014年以降でもっとも高くなっている。女性従業員が10%に満たない企業は28.3%だった。

 管理職(課長相当職以上)に占める女性の割合は平均7.8%。過去最高を更新したものの、前年比0.1ポイント増とわずかな上昇にとどまった。政府が目標として定めている「女性管理職30%」を超えている企業は、前年比0.4ポイント上昇ながらも7.5%にとどまり、目標とは大きな差がある

 「女性管理職30%」を超えている企業を細かく見ると、規模別では「小規模企業」がもっとも多く、業界別では「小売」「不動産」「サービス」が上位であった。

 自社の役員(社長を含む)に占める女性の割合は平均10.8%と、前年より1.0ポイント上昇。その一方、女性役員が1人もいない「0%(全員男性)」の企業が56.6%と半数を超えている。

 女性管理職の割合が5年前と比較してどのように変わったかを尋ねた結果では、「変わらない」が69.8%と7割近くに達し、「増加した」は21.2%。今後の女性管理職の割合が「増加する」と見込んでいる企業は、前年比1.9ポイント減の21.7%。女性役員の割合が「増加する」と見込んでいる企業は、前年比0.7ポイント減の6.9%であった。

 社内外を問わず「女性登用を進めている」と回答した企業は、前年比7.4ポイント減の42.6%。女性登用を進めた効果では、「男女にかかわらず有能な人材を生かすことができた」が71.8%と群を抜いて高く、「女性の労働観が変化してきた」29.1%、「多様な働き方が促進された」28.4%と続いた。

 女性の活躍を促進するために重要なことは、「妊娠・出産・子育て支援の充実」が最多の64.7%で、前年に続きトップとなった。ついで、育休復帰支援などの「仕事と子育ての両立支援」が56.2%、長時間労働の削減など「働き方の改革」が55.3%、待機児童や保育士不足の解消など「保育サービスの充実」が52.7%と5割超で続き、女性の家庭における負担軽減に関する項目が上位に並んだ。

 また、新型コロナウイルス感染拡大の影響で急速に普及が進む「テレワークの導入・拡充」と回答した企業も36.3%にのぼった。帝国データバンクが2020年5月に実施した「新型コロナウイルスに対する企業の意識調査」によると、新型コロナウイルスの影響拡大を契機にテレワークの実施や検討を行っている企業も3割以上ある。帝国データバンクでは「テレワーク普及の流れが女性活躍推進に向けてチャンスとなる可能性がある」と分析している。
《奥山直美》

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