オンライン授業、85%の塾が4月中に移行…学校は32%

 「オンライン授業への移行」について、85.0%の学習塾が4月中に移行を完了したのに対し、学校は32.3%にとどまったことが、Comiruの調査結果より明らかになった。緊急事態宣言下における対応への満足度は、88%の保護者が「学習塾の方が良い」と回答した。

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オンライン授業に移行したタイミング
  • オンライン授業に移行したタイミング
  • 学習塾のオンライン授業の良かった点TOP5
  • 学校と学習塾を比較した、緊急事態宣言下における対応への満足度
  • 学習塾のオンライン授業の課題TOP5
  • 学習塾に求める対応(新型コロナウイルス感染者数が多い状況)
  • 学習塾に求める対応(新型コロナウイルス感染者数が少ない状況)
 「オンライン授業への移行」について、85.0%の学習塾が4月中に移行を完了したのに対し、学校は32.3%にとどまったことが、Comiruの調査結果より明らかになった。緊急事態宣言下における対応への満足度は、88%の保護者が「学習塾の方が良い」と回答した。

 「学校・学習塾に求める新型コロナ第3波対策」に関する調査は、全国の公立学校と学習塾に通う小学校高学年~中校生の子どもを持ち、オンライン授業を経験したことがある保護者を対象にWebアンケートを実施し、300件の有効回答を得た。調査実施日は2020年7月29日~31日。調査主体は、POPERが提供するスクール専用業務管理&コミュニケーションアプリ「Comiru(コミル)」。

 オンライン授業に移行したタイミングについて、学習塾は「2020年4月~」が53.7%ともっとも多く、「2020年2月~3月末」24.6%、「2020年5月~」11.0%、「2020年1月以前」6.7%が続き、「移行していない」は4.0%だった。一方、学校は「移行していない」が61.7%ともっとも多く、「2020年4月~」14.3%、「2020年2月~3月末」11.7%、「2020年1月以前」6.3%、「2020年5月~」6.0%が続いた。学校に比べて学習塾の方がオンライン授業への移行が迅速に行われたことが明らかになった。

 緊急事態宣言下における対応への満足度を学校と学習塾を比較すると、「どちらかといえば学習塾の方が良い」と回答した保護者が55.0%ともっとも多く、「学習塾の方がかなり良い」33.0%、「どちらかといえば学校の方が良い」11.3%、「学校の方がかなり良い」0.7%。88%の保護者が「学習塾の方が良い」と回答した。自由回答では、「塾はオンラインと対面とどちらかすきな方を毎回選べた。学校は公立なので、とにかく融通がきかなくて困る」(北海道・女性)などがあった。

 学習塾のオンライン授業の良かった点は、「通塾に時間・手間がかからない」が53.7%ともっとも多く、「想像以上に授業進行がスムーズ」48.7%、「子どもの勉強のようすがわかる」28.3%、「慣れた自宅環境のため勉強に集中しやすい」25.3%、「学習レベル・学習状況に合わせた授業を受けられる」21.7%などが続いた。

 一方、学習塾のオンライン授業の課題は、「子どもの理解度を把握できているか不安」が40.7%ともっとも多く、「個別質問できる時間がない・質問がしにくい」33.7%、「勉強に集中しにくい」32.0%、「教材がオンライン化しておらず、答え合わせがしにくい」18.7%、「設定や通信環境の不具合が頻繁に起こる」14.3%などが続いた。

 学習塾に求める対応について、新型コロナウイルス感染者数が多い状況では「オンライン授業のみ実施」27.0%と「オンライン授業に加え動画コンテンツによる学習」30.0%、「対面授業とオンライン授業の選択式」22.4%の計79.4%がオンライン授業を希望。また、感染者数が少ない状況でも「オンライン授業のみ実施」6.7%と「オンライン授業に加え動画コンテンツによる学習」4.3%、「対面授業とオンライン授業の選択式」31.3%の計42.3%がオンライン授業を希望している。「対面授業に加え、動画コンテンツによる学習」を希望する保護者は、感染者数が多い状況で11.3%、感染者数が少ない状況で22.0%だった。一方、「完全対面授業」を希望する保護者は、感染者数が多い状況で9.3%、感染者数が少ない状況で35.7%にのぼる。

 Comiruは、「新型コロナ第1波でオンライン授業を体験した家庭が増加したことにより、その有用性を理解している保護者側のオンライン化ニーズが高まっている」と考察している。
《工藤めぐみ》

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