「STEAMを起点にワクワクを創り出す」中島さち子氏に聞く、日本の教育と万博への思い<後編>

 STEAM教育の第一人者である中島さち子氏へのインタビューの前編では、ニューヨークと日本の教育環境の違いを聞いた。続く後編では、日本におけるSTEAM教育の意義やご自身の活動、大阪・関西万博への思いなどを聞いた。

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「STEAMを起点にワクワクを創り出す」中島さち子氏に聞く、日本の教育と万博への思い<後編>
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 国際数学オリンピック金メダリストやジャズピアニストと多才な経歴をもち、STEAM教育の第一人者である中島さち子氏。ニューヨーク大学での留学から本年6月に帰国し、さらに活動の幅を精力的に広げ、2025年の日本国際博覧会(大阪・関西万博)テーマ事業プロデューサーにも選ばれた。

 ニューヨークと日本の教育環境の違いを聞いた前編に続き、後編では日本におけるSTEAM教育*の意義や具体的な活動、そして万博への思いを聞いた。

 インタビュー前編「『共創とオープンクエスチョンが鍵』STEAM教育の第一人者、中島さち子氏に聞くNYの教育<前編>」はこちら

*「STEM/STEAM教育」とは…Science(科学)、Technology(テクノロジー、実用学)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)の頭文字。Arts(芸術)あるいは liberal Arts(リベラルアーツ)を加えたSTEAM(スチーム)を併記されることが多く、Sports(運動)を加えたSTEAMS(スチームス)分野における教育の必要性も提唱されており、教育領域を指す略語が増えつつある。

STEAMは楽しく



--そもそも中島先生がSTEAMに注目したきっかけは何だったのでしょうか。

 私がSTAEMに着目し始めたのは、2014年ごろからです。ただ世界ではもっと前より注目されていました。米国が先駆けで、ついで中国や韓国、シンガポールなどをはじめとするアジア圏、そして欧州圏がこの概念に注目し始めました。知識型の教育からプロジェクト型の教育へという動きに合わせて、これからの時代を生き抜くには、STEAMで培うような「生きる力」が必要だという方向性に舵切りされたのです。

 STEAMを推進してきた国では、予算がついて機材なども導入しやすくなり、それらも含めて進めていく流れができました。が、世界でSTEAMの強い国だと思われている日本では、STEMあるいはSTEAMという言葉はまだ十分定着しているとはいえない状況です。

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《佐久間武》

佐久間武

早稲田大学教育学部卒。金融・公共マーケティングやEdTech、電子書籍のプロデュースなどを経て、2016年より「ReseMom」で教育ライターとして取材、執筆。中学から大学までの学習相談をはじめ社会人向け教育研修等の教育関連企画のコンサルやコーディネーターとしても活動中。

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