休校による学習不安、高3生は「受験への影響」54.6%

 休校期間中の高校3年生の学習の不安は、「受験への影響」が最多であることが2020年12月8日、イーオンの調査結果から明らかになった。英語4技能のうち、「スピーキング」はもっとも重要かつ、もっとも習得が難しい技能と考える生徒が多かった。

教育・受験 高校生
4月からの休校期間中の不安について
  • 4月からの休校期間中の不安について
  • 受験への影響がもっとも不安だった教科(高校3年生)
  • 学校再開後の不安の解消具合(学業全般の遅れ)
  • 学校再開後の不安の解消具合(受験への影響)
  • 学校再開後の不安の解消具合(地域や学校ごとの対応のバラつきによる学習格差)
  • 新型コロナウイルスの影響による自身の受験スタイルの変更
  • 大学入学共通テストへの準備・対策の状況
  • 大学入学共通テストの導入までに変更が相次いだことの影響
 休校期間中の高校3年生の学習の不安は、「受験への影響」が最多であることが2020年12月8日、イーオンの調査結果から明らかになった。英語4技能のうち、「スピーキング」はもっとも重要かつ、もっとも習得が難しい技能と考える生徒が多かった。

 「コロナ禍における現役高校生の学習状況・意識調査」は2020年11月20日~25日、現役高校生1,000人(3年生500人、2年生250人、1年生250人)を対象にインターネットで実施した。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で4月から学校が休校となり、学業面でどのような不安を抱えていたのか尋ねた結果では、3年生は「受験への影響」が54.6%でもっとも多かった。1・2年生は「学業全般の遅れ」が最多だった。

 「受験への影響」を心配していた273人の3年生を対象に、もっとも不安だった教科を尋ねた結果は、「英語」と回答した生徒が31.9%ともっとも多く、「社会系科目(日本史・世界史・公民など)」22.3%、「数学」18.3%と続いた。

 学校再開後の不安の解消具合については、「学業全般の遅れ」が「解消された/ある程度解消された」と回答したのは、全体の55.0%と過半数を超えた。「地域や学校ごとの対応のバラつきによる学習格差」では、「まったく解消されていない/あまり解消されていない」40.7%が、「解消された/ある程度解消された」37.3%を上回った。

 進学希望の3年生392人に対し、新型コロナウイルスの影響を受けて自身の受験スタイルに変更があったかを尋ねたところ、87%が「変更なし」と回答。その一方で、「一般入試を考えていたが、推薦入試を希望した」7.1%、「推薦入試を考えていたが、一般入試に切り替えた」1.5%、「一般入試は変更ないが、受験科目の変更や志望校の幅を広げた」2.8%と、何らかの変更をした3年生が11.4%存在した。

 進学希望の高校3年生のうち、大学入学共通テストを受験予定の生徒232人に準備・対策の状況を尋ねたところ、「準備・対策ができている/ある程度準備・対策ができている」は44.4%。「まったく準備・対策ができていない/あまり準備・対策ができていない」は27.6%、「どちらともいえない」は28.0%であった。

 大学入学共通テストの導入に際して英語の民間検定試験や国語と数学の記述式問題の実施見送りなど変更が相次いだことが、自身の学習状況に影響を与えたかどうかについては、「大きな影響があった/多少影響があった」が51.7%と、過半数を超えた。

 大学受験における英語科目の4技能化については、「よいことだと思う/どちらかといえばよいことだと思う」49%と、「よくないと思う/どちらかといえばよくないと思う」13.7%を大きく上回った。英語4技能のうち、もっとも重要だと思う技能は「スピーキング(話す)」55.6%、もっとも習得が難しい技能は「スピーキング」57.7%でトップ。スピーキングが「もっとも重要」でありながら「もっとも習得が難しい」技能と認識している生徒が多いことがわかった。
《奥山直美》

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