【大学受験2021】英語外部検定利用入試、前年度より増加

 旺文社教育情報センターは2021年2月1日、「外部検定利用入試 2021年は増加」と題した入試分析をWebサイトに掲載した。大学入試英語成績提供システムの見送りにより、英語の外部検定を利用する大学は大幅減が見込まれたが、2021年度入試では前年度より増加したという。

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外部検定利用大学数  (c) 2020 旺文社 教育情報センター
  • 外部検定利用大学数  (c) 2020 旺文社 教育情報センター
  • 成績提供システム見送りの影響  (c) 2020 旺文社 教育情報センター
 旺文社教育情報センターは2021年2月1日、「外部検定利用入試 2021年は増加」と題した入試分析をWebサイトに掲載した。大学入試英語成績提供システムの見送りにより、英語の外部検定を利用する大学は大幅減が見込まれたが、2021年度入試では一般選抜、総合型・推薦型ともに前年度より増加したという。

 「外部検定利用入試 2021年は増加」は、2021年度入試について旺文社教育情報センターが、全大学の募集要項、入試ガイド、Webサイトなどを調査してデータをまとめたもの。専門職大学、通信のみの大学、文部科学省所管外の大学校はデータから除いている。ただし、2021年度は入試改革や新型コロナウイルスの影響で各大学の入試内容が非常に流動的であるため、各数値は若干増減がありうるとしている。

 英語の外部検定を利用する大学は、これまで毎年増加してきたが、入試改革を翌年に控えた2020年度は新規利用校が少なかったため、横ばいとなった。大学入試英語成績提供システム(以下、成績提供システム)の導入が見送りとなり、2021年度入試では当初の予定より大幅な減少が見込まれたが、旺文社教育情報センターによると、2020年度と比べ、一般選抜、総合型選抜、推薦型選抜のいずれも増加した。特に一般選抜の中でも私立大学の増加が著しいという。

 成績提供システム見送りの影響についても分析。成績提供システム構想があったときに外部検定利用を予告していた国公私立大学は538校だったが、見送り後には412校へと大幅に減少。国立大学協会が「一般選抜では全受験生に外部検定を課す」、公立大学協会が「課すのが望ましい」との方針を示した影響から、システム構想時には一般選抜で国立大95.1%、公立大84.6%が利用を予告していたが、2021年度入試での利用は国立大19.5%、公立大4.3%にとどまった。

 外部検定入試全体の中で、利用可とされている割合を示す利用率では、1位は例年同様に「英検」で、一般選抜で97%、総合型・推薦型で98%。「GTEC CBT」「TEAP」など、このほかの外部検定も全体的に採用率を伸ばしてきている。利用方法では、一般選抜は「得点換算」、総合型・推薦型は「出願資格」がもっとも多く、全体的な傾向は2020年度と変わらなかった。

 2020年度は、新型コロナウイルスの影響で各外部検定の試験実施も大きく混乱し、特に緊急事態宣言下の4~6月は軒並み中止となった。これを受けて、埼玉大学(総合型)が経済学部で総合型(外部検定利用)の導入見送り、東京都立大学(総合型、推薦型)が学部により出願資格から除外、大阪大学(総合型、推薦型)が学校長の作成した証明書で代替可とするなど、各大学でもさまざまな対応や配慮がなされたという。
《奥山直美》

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