埼玉県、学力調査結果を公表…コロナ禍でも学力レベルは低下せず

 埼玉県教育局は2021年10月15日、2021年度(令和3年度)埼玉県学力・学習状況調査の結果について公表した。コロナ禍による学力への影響が懸念される中、各教科の学力レベルは、過去の同学年と同様のレベルに達していることが明らかになったという。

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令和3年度 埼玉県学力・学習状況調査【調査結果の分析(教科に関する調査)】
  • 令和3年度 埼玉県学力・学習状況調査【調査結果の分析(教科に関する調査)】
  • 令和3年度 埼玉県学力・学習状況調査【調査結果の分析(教科に関する調査)】
  • 令和3年度 埼玉県学力・学習状況調査【調査結果の分析(質問紙調査)】
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  • 令和3年度 埼玉県学力・学習状況調査【調査結果の分析(学力を伸ばしている市町村や学校が実施している特徴的な取組例)】
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 埼玉県教育局は2021年10月15日、2021年度(令和3年度)埼玉県学力・学習状況調査の結果について公表した。コロナ禍による学力への影響が懸念される中、各教科の学力レベルは、過去の同学年と同様のレベルに達していることが明らかになったという。

 「埼玉県学力・学習状況調査」は、2015年度から埼玉県が毎年独自に実施している取組み。「学習した内容がしっかりと身に付いているのか」という視点に、「ひとりひとりの学力がどれだけ伸びているのか」という視点を加えることで、子供の学力の伸びを把握している。

 2021年度は5月11日から20日にかけて、埼玉県内の公立小中学校(さいたま市を除く)に在籍する小学4年生から中学3年生までの全児童生徒を対象に実施。教科に関する調査、学習意欲や生活習慣等に関する質問紙調査、学校や市町村委員会に対する調査があり、教科は国語、算数・数学、英語(中学2~3年生のみ)で実施した。

 調査では、学力を「学力のレベル」で掲示。結果の分析によると、すべての学年・教科で学年が上がるごとに着実な「学力の伸び」が見られた。2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響による学校の臨時休業があったものの、各教科の「学力のレベル」は過去の同学年と同様のレベルに達しているとの結果が得られた。

 学力が伸びた児童生徒の割合を2021年度と過去6年間の平均との比較から分析すると、2021年度も過去6年の平均とほぼ同様に国語では約6、7割、算数・数学では約7、8割、英語では約8割の児童生徒の学力が伸びていた。国語では、6年間平均と比べて中学2年生で伸びた生徒の割合が減るものの、中学3年生で平均を上回った。算数・数学では、特に小学5・6年生で平均より伸びた生徒の割合が多く、共に8割以上となった。

 また、児童生徒の質問紙調査の結果によると、主体的・対話的で深い学びと学力の関係について、課題の解決に向けて話しあう等の活動により自分の考えをしっかり持てるようになったことが「よくあった」「ときどきあっ た」と回答した児童生徒ほど、学力が高い傾向に。約7割の児童生徒は自分の考えをしっかり持てるようになったことがある、と回答している。「学級での生活は楽しかった」という割合は、2020年度より増加。コロナ禍の授業については、特に小学4年生と中学2年生で授業進度が速いと感じている割合が6割を超えた。

 埼玉県は、調査結果を受けた今後の対応について、学力・学習状況調査のデータを十分に活用し、学力を伸ばしている良い取組みを発掘・共有する文化やネットワークを各市町村・各学校に構築する、伸び悩みを抱える市町村・学校を徹底的に支援し児童生徒の学力向上を図る等、市町村・学校の連携・協働による重層的な支援を行うとしている。

 埼玉県のWebサイトでは、調査で出題した問題概要を学年ごとに掲載している他、市町村別結果一覧、教科に関する調査問題の「復習シート」等を公開している。
《畑山望》

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