【大学受験2022】得意科目生かし「捨てて勝つ」合格ライン突破対策

 旺文社教育情報センターは、入試動向分析「2022年一般選抜 合格ライン突破対策」(2021年12月)を公表。得意科目で高得点を取り、不得意科目の失点を最小限に防ぐ戦略等、共通テストや国公立大2次、難関私立大入試それぞれの、合格ラインを突破するプランを紹介している。

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2022年一般選抜 合格ライン突破対策
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 旺文社教育情報センターは、入試動向分析「2022年一般選抜 合格ライン突破対策」(2021年12月)を公表。得意科目で高得点を取り、不得意科目の失点を最小限に防ぐ戦略等、共通テストや国公立大2次、難関私立大入試それぞれの、合格ラインを突破するプランを紹介している。

 「2022年一般選抜 合格ライン突破対策」は、「蛍雪時代・2021年12月号」の特集より、加筆・変更を施して旺文社教育情報センターWebサイトに転載したもの。各大学・学部や学部系統等の動向を分析している。

 大学入学共通テスト(共通テスト)や一般選抜の本番を直前に控え、目安となるのが、各大学の案内やWebサイトに掲載している「合格最低点」。合格最低点は、合格者のうち順位が最下位の人の得点で、発表方法は大学・学部によって素点や得点率(合格最低点÷満点)となるので、「合格ライン」「ボーダーライン」とも呼ばれる。具体的な合格者像をイメージできるもっとも現実的な目安であり、ふだんの過去問演習では、年ごとの合格ラインと自分の実力との距離を常に意識しその距離を克服することが必要。

 2021年度の私立大一般選抜(各大学の独自入試)の結果をみると、コロナ禍による大都市圏敬遠や安全志向により志願者が減った。合格者増による倍率ダウンは目立ったものの、厳しい競争が見られた。難関私立大の一般選抜(共通テスト利用を除く独自入試)をみると、同志社大(学部個別日程・正規合格者のデータ)は、文系が70%台、理系がほぼ55%~65%に合格ラインが分布している。また、他大学の合格ラインも、ほぼ「文系=60%~70%、理系=50%~70%」に分布していることが多い。

 一方、難関私立大の共通テスト利用入試では、標準的な3教科型の場合、合格ラインは文系・理系とも70%台後半~80%台と、一般選抜に比べかなり高い。青山学院大(共通テスト利用入学者選抜、独自・共通テスト併用を除く)では、ほとんど80%以上で、中には90%近い学科もある。合格者を募集人員の10倍程度出すことも珍しくない共通テスト利用入試だが、それでも相当な高得点が必要だった。

 国公立大の2021年入試データをみると、金沢大(前期)はおおむね50%台後半~60%台半ばで、医学類が80%近く、文系・理系の一括入試が70%前後。岡山大(前期)は、文系は60%台後半~70%台前半、理工農系は60%台前半~後半、医療系は60%台後半~70%台に分布し、医学部医学科の79.0%、薬学部薬学科の78.4%が際立って高かった。他大学を見ても、共通テストの合格ラインは、医・薬や超難関校の80%台を除くと、全体的に60~70%台が多かった。

 共通テストの目標得点を7割とすると、5(6)教科とも均一に70%台を取れればいいが、科目数が多いうえに、得意・不得意がある。そこで、5教科(地歴・公民をあわせて1教科とする)の得点割合を「6・6・6・8・9」と設定し、「3教科は受験者平均をやや上回る60%、準得意教科は80%台、得意教科は90%台」で平均70%を確保する。私立大と同じく、得意教科の上積みで失点をカバーする。志望校が傾斜配点(特定教科の比率を高める)で、得意教科の配点が他教科より高ければ、さらに有効とアドバイス。

 国公立大2次試験(個別試験)は記述式の2~3教科が主流なので、基本的には私立大一般選抜(独自入試)と同様に考える。受験生、特に現役生の学力は入試直前で大きく伸びる。配点にもよるが、医学部志望者は「共通テスト9割+2次7割」で総合点8割台、それ以外は「共通テスト7~8割+2次5~6割」で総合点7割台を確実に得点し、無理なく合格ラインをクリアしたいところ。

 合格ラインを突破する得点パターンが決まったら、入試本番ではその方針に沿って問題を解いていく。解けそうな問題から着手し、リズムに乗る。全教科に共通するが、特に数学や、物理・化学等の理科系科目で有効。解けそうもない問題に時間を費やすより、「捨てて勝つ」戦術でリズムに乗ることを勧めている。ふだんの過去問演習の時に、指定時間内に解くことを強く意識し、手順をしっかり身に付ける。時間内で、各年度の合格ラインを常に超えられるようになれば、本番でも冷静に対処できるという。
《田中志実》

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