公立中学の部活動、7割が休日指導の民間業者委託に「賛成」

 公立中学校における休日の部活動指導を「民間業者」に委ねることについて、中学時代に部活動をしていた人の7割以上が「賛成」としたことが、日本トレンドリサーチのアンケート調査から明らかになった。公立中学校の新たな部活動のあり方を考えるきっかけになりそうだ。

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【公立中学校の部活動】休日指導の民間業者委託に関するアンケート調査
  • 【公立中学校の部活動】休日指導の民間業者委託に関するアンケート調査
  • 平日の部活動のおもな指導者について
  • 休日の部活動のおもな指導者について
  • 休日に部活動はあったか
  • 「民間業者」に委ねることについてどう思うか
 公立中学校における休日の部活動指導を「民間業者」に委ねることについて、中学時代に部活動をしていた人の7割以上が「賛成」としたことが、日本トレンドリサーチのアンケート調査から明らかになった。公立中学校の部活動に存続危機が迫る中、新たな部活動のあり方を考えるきっかけになりそうだ。

 スポーツ庁は、公立中学校の運動部の活動について「少子化による廃部」や「教師の長時間勤務の一因」といった課題を示しており、これまで通りの部活動を持続することが難しくなっている学校も出ている。公立中学校の運動部活動改革の1つとして、休日の指導を民間スポーツ団体等に委ねる「地域移行」も検討されている。栃木県では全国初の取組みとして、栃木県スポーツ協会や各競技団体が選んだ指導者による遠隔指導を導入すると発表。遠隔指導は、ICTを活用して行われ、県内モデル校で6月から実施される予定。

 日本トレンドリサーチは、事前調査で「中学校のときに部活動をしていた」と回答した全国の男女計1,200人(20代以下~70代以上・各年代200人)を対象に「中学校の部活動に関するアンケート」を実施。調査期間は2022年4月30日~5月17日。

 部活動の指導はおもに誰が担当していたのか聞いたところ、平日の指導は91.3%が、休日の指導は87.3%が「学校の先生・職員」が担当していたと回答。66.5%は「休日も部活動があった」としており、教師への部活動の負担の大きさがうかがえる。

 スポーツ庁が示した、公立中学校の休日の部活動指導を「民間業者」に委ねる提言案についてどのように思うか聞いたところ、「どちらかというと賛成」がもっとも多く41.6%、ついで「賛成」34.6%となり、あわせて76.2%が「賛成」の意向を示した。

 「賛成・どちらかというと賛成」の理由としては、「先生の負担が減るから(30代・男性)」「学校の先生では担当している競技について精通していない場合があり、良い指導ができないと思うので外部から精通した人を取り入れることに賛成(60代・女性)」「教員と民間の良いところを吸収できる(40代・男性)」「部活動の専門家がいたほうが良い。ただし、指導が行き過ぎないように、外部指導者にも教育が必要(40代・男性)」「子供たちへの指導・監督を民間業者に任せることに少し不安はあるが、学校という外から隔てられた世界に民間業者という第三者的な人たちの目が入ることは体罰・いじめの早期発見および根絶につながるので、そういう点では良いと思う(20代・女性)」といった意見があげられた。

 一方、「どちらかというと反対」は16.1%、「反対」は7.8%という結果に。理由としては、「確かに学校の先生の負担が軽くはなるが、部活動ではなくクラブ活動になってしまうのでは(20代・男性)」「責任を誰が取るのかという問題。学校内の活動なのに、学校外の責任者の場合、問題が起こった際にどう対処するのかが疑問。指導自体は外部の専門家でも良いと思う(30代・女性)」「学校の教師に教わったほうが思い出として振り返った時にいい気がする(10代・男性)」「部外者が学校に入るのは怖い(30代・女性)」「そもそも休日の部活動が不要(50代・男性)」といった意見があげられた。

 アンケートの詳細は、NEXERが運営するWebサイト「日本トレンドリサーチ」にて公開されている。

《畑山望》

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