旧統一教会の悩みにも対応、教育相談充実を通知…文科省

 文部科学省は2022年10月6日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に関係した児童生徒の悩みや相談に対し、学校の教育相談で適切に対応するよう全国の教育委員会等に通知した。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーによる支援の推進を図るよう求めている。

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第2回会議・取りまとめ概要
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  • 永岡桂子文部科学大臣の会見

 文部科学省は2022年10月6日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に関係した児童生徒の悩みや相談に対し、学校の教育相談で適切に対応するよう全国の教育委員会等に通知した。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーによる支援の推進を図るよう求めている。

 政府は、「旧統一教会」について社会的に指摘されている問題に関して集中的に対応するため、「『旧統一教会』問題関係省庁連絡会」を設置。9月30日の会議で、相談内容が宗教に関係することのみを理由に消極的な対応をしないことを関係省庁間で確認した。

 合同電話相談窓口を開設して集中的に対応した相談等では、金銭的トラブルが多数寄せられた他、信者の家族や2世信者について親族間の問題、心の悩みや生活困窮を訴える内容が一定数存在。学校生活を含む、子供に対する支援の必要性も指摘された。今後については、児童生徒の心理的・福祉的支援の観点から、スクールソーシャルワーカー(SSW)による関係機関との連携・支援、スクールカウンセラー(SC)による心のケアの推進等を強力に推進することを決めている。

 これらを踏まえ、文部科学省は引き続き、SCやSSWの配置拡充を含めた教育相談体制の充実に向けた施策を講じていくことを確認。10月6日付で、都道府県や指定都市教育委員会等に向けて、連絡会議の結果を踏まえた児童生徒の教育相談の取組みについて通知を発出した。

 通知では、学校における教育相談について、宗教に関係することのみを理由として消極的な対応をすることなく、課題を抱える児童生徒の早期発見、早期支援・対応等に努め、児童生徒の心のケアを図る必要があると考えられる事案があった場合には、学校内の関係者が情報を共有し、SCやSSWと共に教育相談に取り組むようよう要請。法務省の人権擁護機関や児童相談所等の関係機関との連携についても求めている。

 10月11日に会見した文部科学省の永岡桂子大臣は「通知に基づき、関係省庁とも連携しつつ、児童生徒の心のケア、充実に取り組んでいきたい」と語った。

《奥山直美》

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