コロナ禍の若者、半数が行動制限が減少しても感染は心配

 日本赤十字社は、コロナ禍の生活が若者の将来への不安に与える影響を調査し、2023年3月13日に結果を公表した。若者の半数が「行動制限が少なくなっても感染は心配」 と回答した。

生活・健康 高校生
若者の交友関係の変化
  • 若者の交友関係の変化
  • 外出や対面で会う機会が増えたことによるストレス
  • 若者の心の変化
  • 若者の心の変化の理由
  • 若者の心の変化への対処
  • 周囲の大人に相談しなかった理由
  • 進路・就職状況に関する将来への不安
  • 成長・経験に関する将来への不安

 日本赤十字社は、コロナ禍の生活が若者の将来への不安に与える影響を調査し、2023年3月13日に結果を公表した。若者の半数が「行動制限が少なくなっても感染は心配」 と回答した。

 政府は3月13日より屋内・屋外を問わずマスクの着用について個人の判断にゆだねる方針を発表。また、5月には新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けを変更する等、社会・経済活動の活性化に向けた取組みが推進される。

 その中で、3年にもおよぶコロナ禍による若者への影響について継続的にみていくことが重要になるため、2022年1月に発表した「コロナ禍の生活が若者の将来への不安に与える影響に関する調査」の第2回を実施し、結果を公表した。

 「2023年新型コロナ禍と若者の将来不安に関する調査」の対象は、日本全国の男女600人(高校生、大学生・大学院生、高校生の保護者、大学生・大学院生の保護者、高校教員、大学教員各100人)。今回の第2回調査は、2021年10月の緊急事態宣言解除後から2022年12月の行動制限のない年末までを対象期間としている。

 若者の交友関係の変化に関しては、「友人や知人と対面で会う機会が増えた」が最多で高校生28.0%、大学生32.0%を占めた。ついで「進学や進級した後も、同級生と対面で会う機会が増えた」は高校生15.0%、大学生13.0%。「外出する人がたくさんいる繁華街に出かけることが増えた」(高校生16.0%、大学生13.0%)が上位としてあがり、およそ3人に1人の若者が対面でのコミュニケーション機会が増えたと考えていた。

 しかし、「対面で会う機会が増えた」や「出かけることが増えた」等と答えた人でも、「行動に制限が少なくなっているが、感染への不安は残っている」(高校生55.8%、大学生41.2%)と半数近くが感染を心配。また、「自分が感染源になって周囲の人にうつしてしまうことへの不安は残っている」(高校生23.3%、大学生29.4%)、「自宅学習の便利さや気軽さがわかり、以前よりも登校することを億劫に感じるようになった」(高校生23.3%、大学生25.5%)、「人前に出たり、マスクを外す機会が増え、身だしなみに余計に気を遣うことにストレスを感じている」(高校生25.6%、大学生21.6%)等、行動制限が緩和されることで新たなストレスを感じていることが判明した。

 今回の調査から、若者の心の変化として、前回調査(2020年4月の緊急事態宣言から2021年9月の宣言解除まで)で上位回答であった「何もしたくなくなる、無気力」「孤独を感じ、1人でいるのが不安」「悲しい気持ちになる、涙が止まらなくなる」においては、数値が減少しており、前向きに変化しつつある一方で、生活に充実感を感じない、将来の見通しが立たないことから悲観的に考えている若者が一定数存在することも明らかになった。

 また、対面によるコミュニケーション機会に関しては若者の3人に1人が増えたと回答する反面、感染に対する不安は引き続き残り、マスクを外す機会が増える等、外出時の身だしなみに関することや、在宅生活に慣れてしまい外出に面倒さを感じる等、長引くコロナ禍で新たなストレスが生まれていることがわかった。

 日本赤十字社は、環境や人の行動の変化に応じて、こうした心理的な影響が発生していることに配慮し、引き続き寄り添いながら見守っていくことが大切になると考えを述べている。

《いろは》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top