文科省、通常学級に在籍する障害ある児童生徒の支援検討会議報告

 文部科学省は2023年3月13日、「通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の在り方に関する検討会議報告」を取りまとめた。各関係者に対し、障害のある児童生徒ひとりひとりの教育的ニーズに応じた適切な指導や必要な支援を行うための取組みを促している。

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通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の在り方に関する検討会議報告
  • 通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の在り方に関する検討会議報告
  • 通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の在り方に関する検討会議報告(概要)

 文部科学省は2023年3月13日、「通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の在り方に関する検討会議報告」を取りまとめた。各関係者に対し、障害のある児童生徒ひとりひとりの教育的ニーズに応じた適切な指導や必要な支援を行うための取組みを促している。

 文部科学省は、2022年5月18日から2023年3月31日の期間に、通常の学級に在籍する障害のある児童生徒への支援の在り方に関する検討会議を開催。学習面または行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒は小中学校8.8%、高等学校2.2%となり、すべての学級に特別な教育的支援が必要な児童生徒が在籍している可能性が示唆された。そのうち、校内委員会で支援が必要と判断されたのは小中学校28.7%、高等学校20.3%であった。

 報告では、近年の小中高等学校等における特別支援教育を必要とする児童生徒の増加や、2022年9月9日の障害者権利委員会対日審査における総括所見および12月13日に文部科学省が公表した「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について」等を踏まえ、障害のある子供と障害のない子供が、可能な限り同じ場で共に学ぶための環境の整備をはじめ、よりインクルーシブな社会の実現に向けて関連施策等の一層の充実を図ることが求められている。

 通常の学級に在籍する障害のある児童生徒へのより効果的な支援施策の在り方について、具体的には、「校長のリーダーシップの下、特別な教育的支援を必要とする児童生徒の実態を適切に把握し、適切な指導や必要な支援を組織的に行うための校内支援体制を充実させること」があげられている。

 また、通級について「児童生徒が慣れた環境で安心して通級による指導を受けられるように自校通級や巡回指導をはじめとする通級による指導を充実させること」「通級による指導を担当する教師等の専門性の向上を図ること」「高等学校における通級による指導の実施体制を充実させること」等も明言された。

 さらに、特別支援学校のセンター的機能の発揮についても方向性が示され、「特別支援教育に関する専門的な知見や経験等を有する特別支援学校における小中高等学校等への指導助言等のセンター的機能を充実させること」「よりインクルーシブで多様な教育的ニーズに柔軟に対応するため、特別支援学校を含めた2校以上の学校を一体的に運営するインクルーシブな学校運営モデルを創設すること」等が提言されている。

 文部科学省は、関係者に報告の内容について十分に理解したうえ、示された具体的な方向性を踏まえて、障害のある児童生徒ひとりひとりの教育的ニーズに応じた適切な指導や必要な支援を行うための格段の取組みを促している。

《いろは》

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