政府は2023年4月10日、2026年3月に卒業・修了予定の学生等の就職・採用活動について、専門活用型インターンシップを活用した者を対象に6月の採用選考よりも前倒しできるよう改正することを発表した。インターン後、採用選考を経ると3月の広報活動以降に内々定を出せる。
政府は、就職・採用活動の円滑な実施および学生が学業に専念できる環境の確保のため、「2024(令和6)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請事項」を公表。就職・採用活動の日程や学事日程等への配慮、オンラインの活用等、就職・採用活動を行う主体が遵守・配慮すべき事項の周知徹底を要請した。
中でも専門性の高い人材については、現行ルールを原則としつつ、「産学協議会が2022年4月にまとめたタイプ3のうち専門活用型インターンシップを通じて判断される者」を対象に、卒業・修了年度に入る直前の春休み以降のタイミングで、専門活用型インターンシップを活用し、かつインターンシップ後の採用選考を経ることで、現行の6月の採用選考開始にとらわれないこととした。
施行は2025年度(2026年3月)卒業・修了以降の学生が対象。3月の広報活動開始以降であれば、6月以降の採用選考活動開始を待つことなく、内々定を出すことができるようになる。
専門活用型インターンシップとは、2022年4月に新たに定義された「タイプ3:汎用的能力・専門活用型」のことで、おもに企業単独や大学が企業あるいは地域コンソーシアムと連携して実施する。就業体験は実施期間2週間以上で期間のうち、半分以上の日数。大きな特徴は、インターンシップを通じて得た学生の情報を採用活動開始以降に利用できることがあげられる。
実施にあたり企業は、就業体験の内容や必要な能力、採用選考活動の実績等、情報開示をしなければならない。また採用時には、就業後のキャリアパスの多様化に資するため、学生の専門性や能力を生かすことを考慮する必要がある。
日本経済団体連合会の十倉雅和会長と日本商工会議所の小林健会頭は、政府の要請を受け、全国の会員企業等への周知に協力していく考えを示すとともに、Webサイトで参考資料や、政府要請内容のおもなポイント等をまとめ掲載している。