2024年10月1日に新内閣を発足させたばかりの石破茂総理大臣は、国民に新内閣の信任を問いたいとして9日に衆議院を解散。第50回衆議院議員総選挙が15日に公示され、10月27日に投開票を迎える。続く物価高騰や学費の値上げ、裏金問題で募る政治不信など課題が山積する中、各党はどのような選挙公約・政策を掲げているのだろうか。各党のWebサイトに掲載されている選挙公約や基本政策などから、子育て支援策や教育関連の政策を紹介する。
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公明党「子供の幸せが最優先…公教育の再生・子育て支援充実」
一斉授業による学校教育を見直し、個別最適な学びのあり方を導入した教育へと公教育を再生。所得制限の撤廃による国公私立高校の授業料実質無償化、2030年代の大学等無償化に向けた、段階的な大学教育費の負担軽減を進める。保険適用の導入も含めた出産費用の実質無償化など、妊娠・出産・産後の支援策のさらなる強化も目指す。
国民民主党「人づくりこそ、国づくり『人への投資』倍増」
年5兆円程度の「教育国債」を発行し、子育て予算と教育・科学技術予算を倍増。3歳からの義務教育化で幼児教育の質を向上するとともに、高校までの授業料完全無償化、給食代・修学旅行費等の無償化、子育て・教育、奨学金に関わる所得制限の撤廃を掲げる。また、新たに所得税の「塾代等控除」の創設を目指す。
参政党「若者が未来の社会を動かす…16歳からの投票権」
若年層の投票率の低さから、若年層への歳出減少や消費減少につながっている現状を危惧し、16歳以上に選挙権を付与することを提唱。日本の伝統的な家族観と世論を軽視した選択的夫婦別姓制度の導入には反対の姿勢を示す。
社会民主党「経済的理由で子育てを諦める必要のない社会へ」
GDPに占める教育支出を現在の2.8%から5%程度の国際水準まで引き上げ、高等教育までの教育費の無償化、奨学金の原則給付型を推進する。子育てにかかる費用負担の公的補助や、選択的夫婦別姓の実現、同性婚の法制化を目指す。
自由民主党「未来を守る…加速化プランで抜本的支援をさらに強化」
2023年12月にまとめた、こども・子育て支援の抜本的強化策「加速化プラン」に基づき、児童手当の抜本的拡充、大学等の高等教育費の負担軽減の拡充、男性の育児休業取得率の大幅引上げの強化などに取り組む。高校の無償化拡大や、教職調整額の率を10%以上に大幅に引き上げるなど、教師の処遇の抜本的な改善も目指す。
日本維新の会「所得制限のない教育無償化と教育改革」
深刻な少子化に手を打つべく、義務教育に加えて幼児教育・高校においても所得制限のない完全無償化を実現。大学・大学院などの改革とあわせて、教育の全課程の無償化およびその実現による教育の質の向上、教育機会の創出を目指す。
日本共産党「『学費ゼロ』の社会にむけて力をあわせよう」
日本の異常に高い学費、国立大学の学費値上げなどに警鐘を鳴らし、高等教育無償化=「学費ゼロ」に向けて、高等教育の授業料半額・入学金ゼロ、給付中心の奨学金創設、奨学金返済の半額免除、の3つの特別措置の実行を目指す。選択的夫婦別姓制度の即時導入、同性婚を認める民法改正も求める。
立憲民主党「チルドレン・ファーストで教育無償化と子育て支援推進」
公立小中学校の給食費無償化、国公立大学の授業料無償化、私立大学・専門学校の同額程度の負担軽減を実施。18歳までのすべての子供を対象に、1人あたり月1万5,000円、年18万円の児童手当を支給するなどの政策をチルドレン・ファーストで進める。選択的夫婦別姓制度は早期実現を目指す。
れいわ新選組「親ガチャ?国がやる!『子育ては自己責任』終了」
子供手当は高校卒業まで所得制限なしの一律月3万円に。18歳までの医療費、学校給食費、保育料、学費、小学校の放課後対策事業の5つの無償化とともに、大学院までの教育無償化を目指す。奨学金は「奨学金徳政令」で学生ローンを免除。同性婚の合法化、産休・育休の給与補償に対する国庫負担割合の引き上げなどを打ち出している。
詳しい公約や政策は、各政党のWebサイトで見ることができる。