2024年11月28日、帝国データバンクは国内企業における2024年10月時点の女性社長の比率を調査し、8.4%と過去最高を記録したことを発表した。2023年の8.3%を上回り、4年連続で上昇を続けているが、依然として1割に届かない低水準にとどまっている。政府が掲げる「女性管理職30%目標」や「東証プライム市場上場企業の役員に占める女性の割合19%」を目指す中で、女性リーダーの育成が求められている。
同調査は、全国約119万社の事業会社を対象に実施され、女性社長の年齢構成や都道府県別、業種別、出身大学別のデータが分析された。年齢構成では「60~64歳」が13.6%で最多となり、「75歳以上」が21.7%と高齢化が進んでいることが明らかになった。
都道府県別では、徳島県が12.1%で3年連続トップとなり、四国地方を中心に西日本エリアで高水準が目立った。徳島県を含む四国地方の3県が10%を超え、全国的にも女性社長割合の高さが際立っている。一方で、岐阜県(6.0%)や愛知県(6.6%)など中部・北陸エリアでは低水準が続いている。
業種別にみると、「不動産」が17.4%でトップとなり、続く「サービス」(11.3%)や「小売」(11.1%)を大きく引き離している。特に「建設」(4.9%)や「製造」(5.7%)は依然として低く、業種細分類別では「保育所」が40.0%でもっとも高かった。
売上規模別では、「5,000万円未満」が11.9%でもっとも高く、売上規模が上がるほど女性社長比率は低くなる傾向がみられた。「100億円以上」は2.0%にとどまり、1990年からの上昇幅も小さい。
出身大学別では、「日本大学」が286社で5年連続トップとなり、前年から20%以上の増加が目立った大学もあった。特に「愛知大学」は前年比23.8%増で、2年連続で大きく数を伸ばしている。
女性社長の割合は小幅な上昇を続けているが、数値目標の達成には至っていない。政府は女性起業家の拡大にも注力しており、経済産業省が発表した「女性起業家支援パッケージ」では、ネットワーク構築やマッチング機会の提供、ロールモデルの創出を目指している。
今後も女性社長や役員・管理職の割合は緩やかな上昇が見込まれる中、適材適所の人材登用が求められる。