【中学受験2013】入試に勝つ夏休み自由研究<理科篇>

教育・受験 その他

SS-1 副代表 辻義夫氏
  • SS-1 副代表 辻義夫氏
  • ブラックボックスによる電流の流れを理解する実験
  • 接続する端子によって豆電球の点灯・消灯が変わる
  • 接続する端子によって豆電球の点灯・消灯が変わる
  • マトリックス表を作ってすべてのパターンを試す
  • レポートの下書き
  • 理科用の市販の教材を利用すれば、必要な材料はほぼ揃う
  • 水溶液のpH実験で用意するもの
 中学受験を控える小学校高学年の児童は、夏休みの自由研究を負担に感じるかもしれない。特に6年生にとり受験の天王山ともいわれる夏休み、自由研究の課題に時間をかけたくない本音も耳にする。

 とはいえ、そうした小学生の多くが目指す中高一貫校では、自由研究を重視する学校も多い。課題や問題に対して、自分で仮説をたてそれを検証する。そして、それをレポートにまとめるといった能力の重要性を認識しているからだ。課題克服のスキルや論理的な推論・思考、報告書を含むプレゼン能力は、海外の名門大学やグローバル企業でも重要視される。

 そこで、中学受験専門の個別指導教室 SS-1の副代表で、理科が専門の辻義夫氏に、中学受験生向けの<理科>の自由研究について話を聞いた(<社会篇>時事問題や記述式問題対策を紹介)。

 辻氏は、「理科であれば、なるべく1日で終わるようなテーマがよいでしょう。それも、入試問題に出るような実験がお勧めです。自由研究では、授業などでは扱わないような内容にもチャレンジできるので、前向きにとらえて取り組めば受験対策にもなります。」と言う。

◆開成でも出題されたブラックボックス

 そして、その例として乾電池と豆電球を使った実験(電気の流れ)をあげ、開成中学など有名校の入試問題で定番となっている「ブラックボックス」を実際に作ってさまざまな実験を行い、それをまとめてはどうだろうかと提案した。なお、ブラックボックスは、箱に端子がいくつかついており、配線は箱の中で見えないようになっている。これに電池と豆電球をつないでみて、端子の配線がどうなっているかを答えさせる問題だ。

 この実験なら、必要な材料は乾電池、豆電球、リード線、電池ボックス、端子(ねじ、アルミホイルでもよい)、厚紙の箱などである。理科の教材用の実験キットを購入すれば、必要なものはすべて入っているだろう。いずれもホームセンターやインターネット通販で手に入る。予算は数百円から千円程度だ。

 レポートは、マトリックス表を作ってどこを接続したら豆電球が点灯したかを書きとめ、整理するとよいそうだ。このとき、端子の数によって何通りのパターンがあるかは「組合せ」で求めることができ、算数の知識を深めることにもつながる。

 箱の中の配線に電池を配線しておくと、つなぐ電池の向きによって結果が変わるようにもできるので、実験に広がりを持たせることも可能だ。箱の中に配線だけではなく電池を入れるという問題も実際に出題されている。また、異なる配線でも、マトリックス表の結果は同じになることもあるが、これも考察ポイントとして含めることができるだろう。

◆水溶液の実験で考える力をつける

 水溶液のpH実験も短時間で行うことができ、考察ポイントも多くてお勧めだという。リトマス試験紙は薬局で100円程度で売っているそうだ。リトマス試験紙がない場合は、教科書などにある紫キャベツの煮汁(指示薬)を用意すればよい。

 実験する液体は、市販の炭酸飲料、レモン水、ミョウバン溶液、重曹溶液、食塩水、水道水。材料は、ミョウバンや重曹を含め、スーパーなどで手に入る。実験としてはリトマス試験紙や紫キャベツの煮汁で酸性、中性、アルカリ性を調べていく。このほか、せっけん水やミネラルウォーター、お茶などいろいろと試してもよい。洗剤を使う場合は、有毒ガスが発生する組合せに注意しよう。

 pHの実験は、実際には予想どおりにならないこともある。たとえば、食塩水は中性なのだが、工場で精製されたものではない天日塩や岩塩などは、ミネラル成分によってアルカリ性を示すことがある。ミョウバンは水に溶けにくいので濃度を上げるにはどうすればよいか。実験をしながら考察ポイントが出てくれば、さらなる仮説ー検証という広がりを生んでくれる。

 ほかには、100円ショップの虫眼鏡(凸レンズ)の焦点距離を測る実験、ピンホールカメラを作る実験なども、手軽で入試問題対策につながるそうだ。

 最後に辻氏は、「仮説を検証するというスキルを身につけることもそうですが、実験や体験によって隠れた才能が発見されるというのもあります。興味が広がることで将来が変わる人もいます。実際に、夏休みの自由研究で庭の雑草を調べたことがきっかけで植物学者になったという人もいます。また、実験教室のような、すごい! だけで終わってしまうものもあります。自治体や公共機関が実施する子ども向けの実験や教室の大がかりなものは、自分で再現することができない場合もあります。自分で行う実験は、仕組みや原理を理解する近道でもあり、そのような能力はほかの学習にも役立ちます。」と説明してくれた。
《中尾真二》

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