夫の家事・育児時間が増加、子育て環境への満足度も上昇…ベネッセ調べ

 ベネッセ次世代育成研究所は11月16日、ひとりっこを持つ夫婦を対象とした「妊娠出産子育て基本調査」の結果を公表した。前回調査した2006年と比較して、夫の育児・家事参加時間が増加、保育への信頼や生活満足度も上昇したことがわかった。

生活・健康 その他
出産立ち会い、育児の頻度、家事の頻度について
  • 出産立ち会い、育児の頻度、家事の頻度について
  • 子どもが父親と過ごす楽しい時間を持てているか
  • 託児施設の利用と預け先との信頼関係について
  • 育児の情報源について
  • 子どもを通じた地域でのつきあいについて
  • QOL(生活満足度)について
 ベネッセ次世代育成研究所は11月16日、ひとりっこを持つ夫婦を対象とした「妊娠出産子育て基本調査」の結果を公表した。前回調査した2006年と比較して、夫の育児・家事参加時間が増加、保育への信頼や生活満足度も上昇したことがわかった。

 同研究所は、はじめての子どもを持つ夫婦の子育て意識・環境はどのように変化したかを明らかにするために、第1子を妊娠中または0~2歳の第1子を持つ全国の夫婦を対象にアンケートを実施した。テーマは、家族の生活満足度や子育ての環境との関連性、生活の実態などについて。有効回答数は、妻が2,750、夫が1,987、計4,737件。2006年の調査に続き、2回目となる。

 夫の出産への立ち会いは、6.6ポイント上昇し、63.3%となった。夫の育児の頻度について、「おむつ替え・トイレ」は、「週3回以上」が7.3ポイント上昇して58.2%、ぐずりへの対応も「週3回以上」が14.9ポイント上昇の47.3%となった。また、家事の頻度は、「食事の用意・片付け」は、「週に1~2回以上」が、5.6ポイント上昇して58.5%となり、夫の育児や家事に関わる時間が増えていることがわかった。「子どもが父親と過ごす楽しい時間を持てている」と評価する母親も5.8ポイント上昇して75.5%となった。

 定期的に子どもを預ける比率は、23.2%で5.2ポイント上昇。特に、1歳、2歳児で預けている比率が増加傾向にある。また、「子どもの保育を十分に行ってもらえていると思う」との回答は、14.1ポイント上昇して69.9%であった。

 妊娠・出産や子育ての情報源は、育児書や新聞などの紙媒体から、タイムリーかつ双方向のインターネットや携帯サイト・配信サービスに移行する傾向が見られれる。育児期妻では、「インターネット」が11.2ポイント上昇で81.6%、「携帯サイト・配信サービス」が21.5ポイント上昇で41.1%となった。

 このような子育て環境変化の中で、親たちが地域での自然なつきあいに出会う機会は減少している。「子ども同士を遊ばせながら、立ち話をする程度の人」が「1人もいない」と回答した妻は、8.7ポイント上昇して、34.3%となった。子どもの年齢が低い0歳代で、また母親の年齢が若いほど、子どもを通じた付き合いの人数は少ない傾向にある。

 この5年間で、生活に対する満足度は夫婦ともに上昇。特に子育て環境についての満足度は高くなっている。「家と家のまわりの環境に満足している」と回答した育児期妻が7.2ポイント上昇で55.9%、夫は6.0ポイント上昇で52.6%。子育てにかかわる施設、病院などの利便性への評価が高くなっている。背景として、国や地域の子育て支援が徐々に整備されてきていることが考えられるという。
《楠原 恵子》

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