電子書籍、市場規模は拡大傾向…2014年度は1,050億円の見込み

 電子書籍の市場規模は拡大傾向にあり、2014年度は前年度比23.5%増の1,050億円の見込みであることが、矢野経済研究所が9月10日に公表した調査結果から明らかになった。

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国内電子書籍の市場規模推移
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 電子書籍の市場規模は拡大傾向にあり、2014年度は前年度比23.5%増の1,050億円の見込みであることが、矢野経済研究所が9月10日に公表した調査結果から明らかになった。市場は今後も伸びが期待されており、2017年度は1,910億円と予測されている。

 調査は5~7月、国内の出版社や印刷会社、出版取次会社、電子書籍ストアなどを対象に実施した。

 なお、同調査における電子書籍市場とは、PC・PDA、携帯電話・スマートフォン、タブレット・電子書籍リーダー向けに配信される電子書籍のコンテンツを小売価格ベースで算出している。電子新聞および教科書、学術図書、端末代金、データダウンロードにかかる通信費などは除いている。

 2013年度の電子書籍市場規模は、小売ベースで前年度比19.7%増の850億円。スマートフォンの普及、外資系電子書籍ストアの日本市場への本格参入などが要因とみられる。

 主なコンテンツ分野別では、コミック分野650億円、読み物(小説・文学、ビジネス書、実用書など)分野160億円、雑誌分野40億円。コミック分野が、市場全体の8割近くを占めている。コミックは長編シリーズが多く、過去作品をまとめ買いするケースが多いことも一因だという。

 2014年度の電子書籍市場規模は、小売ベースで前年度比23.5%増の1,050億円の見込み。今後の市場規模も拡大基調で、2017年度には1,910億円にまで拡大すると予測されている。

 コミック分野で過去作品の電子化が一巡することで、市場の伸び率は鈍化する可能性があるものの、小説や文学などの読み物分野では徐々に電子化される作品が増えている。スマートフォンやタブレットなど、デバイスの進化も電子書籍市場の拡大を後押しするとみられ、今後の伸びも期待されている。
《奥山直美》

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