2015年度公立高校入試を総括…地域で異なる人気学科と進学・就職状況

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公立高校入試の出願状況1
  • 公立高校入試の出願状況1
  • 公立高校入試の出願状況2
  • 高校卒業者の就職率(降順)
 平成27(2015)年度公立高校一般入試が2月と3月に行われ、リセマムでは47都道府県の出願状況をお伝えしてきた。公立高校入試を振り返り、都道府県ごとの出願倍率や人気学科などの傾向をみると、地域ごとの特徴が現れている。

◆公立高校の入試方式

 公立高校の入試方式としては、中学校長の推薦により優先的に入学を認められる「推薦入試」と、学力検査等で選抜する「一般入試」、一般入試で定員に満たなかった人数を募集する「2次募集」が多くの地域で実施されている。

 しかし、都道府県によって呼び名が異なったり、選抜方法が異なったりしている。たとえば、東京都では、「推薦に基づく入試」と「学力検査に基づく入試」の大きく2つに分け、学力検査に基づく入試は「第一次募集および分割前期募集」と「第二次募集および分割後期募集」に分けられている。京都府では、「前期選抜」「中期選抜」「後期選抜」の3つに分けられる。愛知県では、推薦入試と実施期日をずらしたA・B2つの学校グループによる入学検査を併用した制度にて入試を実施している。

◆出願倍率がもっとも高いのは大阪府の2.06倍

 一般入試(その都道府県でメインとなる選抜)の出願倍率を都道府県別にみると、大阪府が2.06倍ともっとも高く、東京都1.50倍、千葉県1.39倍、栃木県1.25倍が続く。大都市圏を中心に出願倍率が高い傾向にある。出願倍率が1.20倍以上となったのは9都府県。一方、1.00倍以下となったのは7県であった。

◆都市部は普通科、地方は職業学科が人気

 都道府県ごとに出願倍率の高い学校・学科をみていくと、北海道は旭川農業(農業科学)4.5倍、岩見沢農業(農業科学)3.0倍、岩見沢農業(食品科学)3.0倍と農業科の倍率が高く、東京は国際(国際)4.79倍、日比谷(普通)2.89倍、戸山(普通)2.62倍と国際科や普通科の倍率が高い、といったように地域の特徴が顕著に現れている。

 各都道府県の出願倍率の高い学科から人気動向をみていくと、東京、神奈川、千葉、埼玉は普通科や国際科、理数科に人気がある。そのほか、大阪や静岡、長野、福井、岡山、福岡も普通科の人気が高い。大都市を抱える都道府県を中心に進学に有利な普通科の人気が高く、職業学科の人気が低い傾向にある。一方、北海道や富山、山口、徳島、沖縄などは農業科、青森や群馬、兵庫、和歌山、鳥取、島根、愛媛、佐賀、長崎、熊本、大分などは工業科の人気が高い。地方は高校卒業後の就職に有利な職業学科に人気があるようだ。

 日本の統計2015によると、2013年高校卒業者の就職率が高いのは、青森(31.9%)、佐賀(31.0%)、岩手(29.6%)、宮崎(29.6%)、長崎(29.6%)、秋田(29.5%)。これらの県は職業学科の人気が高く、高校卒業者の就職率と高校入試の人気動向は相関関係があると考えられる。

◆私立高校人気は二極化

 明光義塾本部教務部の小野寺由貴氏は、「2015年度高校入試の出願状況に特徴があった県の一つが神奈川県だ。制度改革が行われてからというもの、公立入試問題が劇的に難化。試験も一本化されているため、年々私立高校の出願者が増加し、今年の出願倍率は5.32倍に及んだ。4年前に比べて2.5ポイント増加している。首都圏や関西など、私学人気が高い地域では、私立高校の出願倍率が10倍を超えるところも一定数あるが、一方で定員割れとなる高校もあり、人気校とそうではない高校との差が開いている」と分析。

 また、都市部は私学の出願倍率が高い傾向にあるなか、香川県が出願倍率1.2倍を超えている理由については、「四国の他3県は、大学合格実績において、公立高校よりも国私立高校のほうが圧倒的に優れた結果を残している。しかし、香川県は公立高校の実績の方が優れており、私立高校よりも公立高校志向という傾向が強い」と推測している。
《工藤めぐみ》

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