世界大学評価機関の英国クアクアレリ・シモンズ(Quacquarelli Symonds、以下QS)は2015-2016の世界大学ランキングを発表した。首位は昨年同様マサチューセッツ工科大学(MIT)、日本の最高順位は京都大学が38位で、東京大学は39位だった。 QSの世界大学ランキングは、世界の大学を「研究者からの評価」「企業による評判」「学生1人あたりの教員数」「外国人教員比率」「留学生比率」「教員1人あたりの論文引用数」の総合点を算出しランキング形式で発表している。 2015年9月15日に発表された「第12回QS世界大学ランキング2015/16」では、マサチューセッツ工科大学(MIT)が首位となった。次いでハーバード大学が第2位、ケンブリッジ大学がスタンフォード大学と並んで第3位にランクイン。シンガポールの「2大一流大学」と称されるシンガポール国立大学(第12位)と南洋理工大学(第13位)も初めてトップ15にランクインした。 国内の大学のうち、トップ50位入りを果たしたのは、京都大学と東京大学のみだった。2014年に86.7ポイントで31位だった東京大学は、2015年は8つ順位を落とし84.8ポイントで39位。2015年は京都大学が東大を僅差で上回り、84.9ポイントで38位となった。なお、京大の2014年順位は84.7ポイントで36位だった。 そのほか、ランクインした国内大学はそれぞれ東京工業大学(56位)、大阪大学(58位)、東北大学(74位)、名古屋大学(120位)、北海道大学(139位)、九州大学(142位)など。早稲田大学は212位で、以下、219位に筑波大学と慶應義塾大学(219位)が同順でランクインした。 QSは、日本国内大学はほかのアジア諸国に比べ「留学生を引き寄せる魅力がますますなくなっている」と分析。日本の高等教育機関が「2020年までに30万人の留学生を迎え入れる」という政府事業や「グローバル30イニシアティブ」の目標を果たすためにはまだまだ改善の余地があることを指摘した。 また、QS研究部長ベンソウター氏(Ben Sowter)は、日本の大学を取り巻く留学生事情や学問分野での評価ポイントに関し、過去に日本の大学へ流入してきた留学生や教授、研究費は、現在では中国、韓国、シンガポールなどの新しい研究システムへ流入されるようになったことを述べている。 詳細なランキングは、QSのWebサイトで確認できる。なお、QSはこのほかアジア大学ランキングも発表している。◆QS 世界大学ランキング20151位 マサチューセッツ工科大学(MIT) アメリカ2位 ハーバード大学 アメリカ3位 ケンブリッジ大学 イギリス3位 スタンフォード大学 アメリカ5位 カリフォルニア工科大学(CALTECH) アメリカ6位 オックスフォード大学 イギリス7位 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL) イギリス8位 インペリアル・カレッジ・ロンドン イギリス9位 チューリッヒ工科大学(ETHチューリッヒ) スイス10位 シカゴ大学 アメリカ◆QS 世界大学ランキング2015にランクインした国内大学トップ101位 京都大学(38位)2位 東京大学(39位)3位 東京工業大学(56位)4位 大阪大学(58位)5位 東北大学(74位)6位 名古屋大学(120位)7位 北海道大学(139位)8位 九州大学(142位)9位 早稲田大学(212位)10位 筑波大学(219位)10位 慶應大学(219位)