◆基本的には希望制、テストがある塾も--志望校別特訓には、希望すれば必ず入れますか。馬屋原先生:志望校別コースの参加資格は、塾やコースごとに異なります。SAPIXの場合は基本的に希望制です。志望校に達するほどの学力がなくても入れますが、そういった場合、コース内のクラスは下の方になります。 日能研では、これまでの公開テストの偏差値や向き不向きなどを考慮して塾の先生が特定のコースを勧めることもあるようです。早稲田アカデミーで「NN」に通うためには、資格試験をクリアする必要があります。9月以降の「NN志望校別コース」に通いたい場合は、7~8月にある試験に合格しなければいけません。--志望校別特訓には、必ず入った方が良いですか。馬屋原先生:自分の「第一志望校のみが対象」となっていて、かつ、「通える範囲」で実績を出しているコースが開催されているのであれば、基本的には活用した方が良いでしょう。同じ志望校を目指す者と机を並べることで、お子さまのモチベーションも上がります。一方で、厳しいことを言うと、志望校別特訓に参加試験があり、その結果特訓に参加できなかったならば志望校を再考することが必要かもしれません。 また、参加資格を得られたからといって合格するとは限らないことも志望校別特訓を受けるうえで十分に意識しておかなければなりません。志望校特訓に参加できても、基本的な部分の抜けなどが大きく、一般的な公開テストの偏差値が足りていない場合は合格の可能性は非常に低くなってしまいます。◆志望校の特訓がない場合は「過去問演習」と基礎固めが大切馬屋原先生:また、塾より自宅の方がより自分の志望校を目指して勉強ができそうならば、必ずしも志望校別特訓に参加する必要はありません。特に、通えそうなコースが複数の学校を対象としている場合は検討した方が良いかもしれません。 そもそも、志望している学校の特訓コースがない場合は志望校対策をご家庭で進める必要が出てきます。決して急ぐ必要はありませんが、併願校も含めて、計画的に過去問演習を進めていかねばなりません。 過去問を解く目的は2つあります。ひとつめは、その学校の出題形式や時間配分に慣れていくことです。もうひとつは、合格ラインに達するために伸ばさなくてはいけないところや苦手分野を発見し、もっとも重要である「対策」を講じることです。しかし、過去問演習の量や解く順番、行うタイミングなどのプランニングや答案の分析をご家庭だけで進めるのは厳しいでしょう。可能な範囲で、塾の先生や個別指導・家庭教師など、プロの力を借りた方が良いかと思います。