東京五輪教育、2016年度より都内全校で開始…有識者会議が最終提言

 東京都教育委員会は12月21日、東京のオリンピック・パラリンピック教育を考える有識者会議の最終提言を公表した。オリンピック教育の取組みにあたっては「すべての子どもが大会に関わること」を基本的視点とし、2016年度より都内全校にて取り組むべきとした。

教育・受験 その他
最終提言で示された「重点的に育成すべき5つの資質」
  • 最終提言で示された「重点的に育成すべき5つの資質」
  • 最終提言で示された「学習・教育活動の進め方」
  • 基本的枠組「4×4の取組み」展開イメージ
  • 段階的な進捗イメージ
 東京都教育委員会は12月21日、東京のオリンピック・パラリンピック教育を考える有識者会議の最終提言を公表した。オリンピック教育の取組みにあたっては「すべての子どもが大会に関わること」を基本的視点とし、2016年度より都内全校にて取り組むべきとした。

 東京都教育委員会は、平成26年10月の「東京のオリンピック・パラリンピック教育を考える有識者会議」設置以降、11回にわたり東京都が推進するオリンピック・パラリンピック教育の目標や内容、具体策について検討を進めてきた。最終提言では、中間まとめとして公表した「オリンピック・パラリンピック教育が目指す人間像」や「基本的視点」「基本的枠組」に加え、より具体化した教育内容を明示。「重点的に育成すべき5つの資質」「学習・教育活動の進め方」について示している。

 取組みにあたっての基本的視点は中間まとめから変更なく「すべての子どもが大会に関わる」「座学だけでなく体験や活動を通じた学びを重視」「計画的・継続的にオリンピック・パラリンピック教育に取り組む」の3点。また、基本的枠組も同様に、4つのテーマ(「オリンピック・パラリンピックの精神」「スポーツ」「文化」「環境」)と、4つのアクション(「学ぶ(知る)」「観る」「する(体験・交流)」「支える」)を組み合わせた多様な取組みを学校の特色を見ながら進めることが望ましいとした。

 また、基本的視点と基本的枠組をもとに教育内容をさらに具体化。「重点的に育成すべき5つの資質」として、「ボランティアマインド」「障害者理解」「スポーツ志向」「日本人としての自覚と誇り」「豊かな国際感覚」の育成に重点を置くべきとした。

 「学習・教育活動の進め方」では、年間35時間程度を目安に学校全体で組織的・計画的にオリンピック・パラリンピック教育に取組み、一部の教科だけでなく全教育活動で展開する必要があるとしている。具体的には「東京ユースボランティア」の実施検討や、特別支援学校と地域の学校との交流を充実させる「スマイルプロジェクト」、オリンピアンやパラリンピアン、外国人アスリートと交流する「夢・未来プロジェクト」、地域在住の留学生などと実際の国際交流を実施する「世界ともだちプロジェクト」といった取組みを通して、5つの資質それぞれの育成を進めるべきとした。

 今後は、平成28年4月より都内のすべての学校で教育を開始、または本格始動に向けた準備を進め、平成28年開催のリオデジャネイロ大会が終了する9月より本格的に展開すべきとしている。さらに東京大会まで段階を踏んで計画的に教育が進められる予定。子どもたちがスポーツの持つ力や価値を実感し、国際社会を担う資質と能力を身に付けるよう、東京オリンピック・パラリンピック開催の機会を最大限活用すべきとの認識を示している。
《畑山望》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top