麻しん患者の届出数増加、千葉県で10-30代感染も

 厚生労働省は8月24日、麻しん(はしか)の広域的発生について情報提供を行った。麻しん患者の届出数が増加していることから、おもに各都道府県や保健所設置市に向けて予防接種歴の確認や麻しんの発生を意識した診療を行うよう呼びかけている。

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麻しんの予防接種についてのポスター
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  • 千葉県 麻しん(はしか)の発生について(第2報)8月24日掲載 患者概要
 厚生労働省は8月24日、麻しん(はしか)の広域的発生について情報提供を行った。麻しん患者の届出数が増加していることから、おもに各都道府県や保健所設置市に向けて予防接種歴の確認や麻しんの発生を意識した診療を行うよう呼びかけている。

 8月16日、千葉県は同県内松戸市内を中心に麻しんが発生していることを発表。8月21日には、麻しんの発生が続いており、8月24日までに10名の麻しん患者の届出があったことを報じた。7月26日から8月16日の期間に発生届出のあった患者はみな0~6歳の未就学児だが、7月22日は30代女性、8月18日には20代女性、8月20日には15歳男性の感染が報告されている。全国的に麻しん患者の届出数が増加していることから、8月24日には厚生労働省が麻しんの広域的発生に関し情報提供を行った。

 国立感染症研究所によると、麻しん(はしか)は「ヒトからヒトへの空気感染(飛沫核感染)」のほかに、さらに、飛沫感染、接触感染などさまざまな感染経路で感染するため、手洗いやマスクだけでは予防できない。日本では通常、春から夏にかけて流行する感染症だ。1歳児の麻しんワクチン接種率は約50%と極めて低く、患者のほとんどは予防接種未接種であることも特徴にあげられる。

 麻しんは、感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れ、2、3日熱が続いたのち、39度以上の高熱と発疹が出現する。肺炎、中耳炎を合併しやすく、患者1,000人に1人の割合で脳炎が発症する可能性もある。

 麻しんの予防に向け、、厚生労働省はWebサイトで「はしかワクチンの接種は、1歳になったら1回、小学校入学前の1年間にもう1回」と呼びかけている。麻しんの予防方法や予防接種に関する情報のほか、麻しんに関する基礎知識もまとめられているため、ワクチンを受けていない未就学児がいる場合や、大人自身の予防接種歴を振り返る際の参考にしたい。

※お詫び:初出時、タイトルに誤りがありました。訂正し、お詫び申し上げます。
《佐藤亜希》

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