「世界一子どもに持たせたいスマホ」を…VERYコラボほかトーンモバイルの春戦略

 トーンモバイルは2月21日、春の戦略発表会を都内で開催。MVNOサービス「TONE」において、小中学生向けを中心とするサービス強化を発表した。あらたに「TONE見守り」アプリの提供を開始するほか、雑誌「VERY」とのコラボによる共同開発も行う。

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トーンモバイルが女性雑誌「VERY」とコラボ
  • トーンモバイルが女性雑誌「VERY」とコラボ
  • 7月のサービス開始を目指す
  • トーンモバイル代表取締役社長CEOの石田宏樹氏(左)とVERYの今尾朝子編集長(右)
  • 「春のおトク!キャンペーン」
  • 石田宏樹氏とTSUTAYA会長の増田宗昭氏とによるTONEのコンセプトメモ
  • TONEの2017年春戦略のコンセプトは「native」
  • スマホネイティブ周辺人口
  • スマホネイティブ世代のスマホ保有率
 トーンモバイルは2月21日、春の戦略発表会を都内で開催。MVNOサービス「TONE」において、小中学生向けを中心とするサービス強化を発表した。あらたに「TONE見守り」アプリの提供を開始するほか、雑誌「VERY」とのコラボによる共同開発も行う。

 発表会には、代表取締役社長CEOの石田宏樹氏が登壇。「TONE」のコンセプトをあらためて説明した。まず、現在600社以上が参入しているというMVNO市場について、価格競争ばかりが目立つ状態だとし、MVNO各社は「どういう意図を持って存在するかが問われている」とした。そのうえで「TONE」については、カルチュア・コンビニエンス・クラブCEOである増田宗昭氏と「子どもを大切にしたサービスにしよう」という思いでスタートしたと説明した。

◆スマホオールの時代、春の戦略は「native」

 キリスト誕生以前・以後、インターネット誕生以前・以後に続き、現在は「スマートフォン以前・以後」という大きな転換期と説明。そういう、すべてのサービスやインフラがスマホに紐付く“スマホオール”の時代の子どものために「安全安心なスマートフォンを提供すること」が同社の存在意義だとした。そうした考えを踏まえたうえで、2017年の春の戦略を解説した。

 2017年春のトーンモバイルのコンセプトは「native」。2007年生まれ、現在10歳の小学生たちは、いわゆるスマホネイティブ世代だ。その前後の年代の子ども、保護者・家族など約1,025万人が「スマホネイティブ周辺人口」だと同社では試算している。特に小学校高学年の携帯電話保有率は現在約4割で、6割近い非保有者が存在する。こうした人たちに、スマホを安心して持ってもらうことを目指すとした。

◆3つのテーマでサービス刷新、MVNO業界初の試みも

 具体的には、「プロダクト」「キャンペーン」「さらに先へ」という3つのテーマのもとに展開。

 まず「プロダクト」では、「TONEファミリー」を含む家族向けサービスを大幅にアップデート・機能強化して提供を行う。TONEファミリーでは、居場所確認・アプリ利用制限・歩きスマホ警告・伝言・安心インターネット(フィルタリング)といった機能を提供しているが、3月1日からはあらたに、家族の状況を最大5人まで同時に確認できるアプリ「TONE見守り」の提供を開始する。

 「TONE見守り」は、センサーを駆使した行動把握により、スマホ側で特別な操作を行わなくても、子どもが今どういう状況なのかがわかるという。たとえば、歩いているのか、走っているのか、自動車に乗っているのか、どこからどこに移動して、今どこにいるのか、どんなアプリを使ったか…などを、ダッシュボードで把握できるという。また、IP電話機能も搭載しており、見守り対象にワンボタンで無料通話を発信できる。そのほか、「画面に通知を送り、子どもが確認するまでは、ほかの操作ができなくなる」機能も用意されている。これにより、安否確認などもできるとのこと。将来的には「今、“ケードロ”を遊んでいるのか、だるまさんが転んだを遊んでいるのか、判別できるレベル」を目指しているという。

 また従来サービスでは、位置確認が上限100回だったが、アップデート後は回数無制限に変更される。さらにトーンモバイルでは、ドコモとの技術的なやりとりを重ね、4月以降は災害時の緊急速報に対応できるようになった。これはMVNOとしては初とのこと。

◆1年間0円、端末代金割引も用意

 続く「キャンペーン」では、「春のおトク!キャンペーン」を2月24日~5月31日に実施。19歳以下の子ども本人または同一名義複数台契約の家族で、月額基本プラン通常1,000円を「1年間0円」で提供するという破格の内容だ。なお、1年間0円ではなく「端末代金1万円割引」を選択することもできるようになっている。

◆業界のさらに先へ、母親目線で「VERY」とコラボ

 そして「さらに先へ」というテーマでは、女性雑誌「VERY」(光文社)とコラボ。子育て世代の主婦が読者中心層である同誌と、「子どものファーストスマホ」を共同で開発する。「世界一子どもに持たせたいスマホサービス」を目指すという。すでに読者モデルによる利用もスタートしているとのこと。3月より誌面では記事を掲載、7月のサービス開始を目指す。トーンモバイル側から今回のコラボの打診を行ったという。

 発表会には、VERYの今尾朝子編集長も登壇。「今日の発表を、早く読者にも届けたい」と期待を寄せた。そのあとのトークセッションでは、「スマホが得意なママもいるが、スマホが全然わからない、使えないというママも多い。LINEのアドレス交換さえ難しいママもいる」と現状を説明し、そういう保護者でも使いこなせるサービスを望んでいるとコメント。また子どもの教育面での効果にも「興味津津」だとした。

 現在開発中のサービスについては「シンプルに、必要なものだけを届けられたらいい。楽しみにしています」とのこと。読者モデルの意見などを採り入れ、トーンモバイル側に要望として「いろんな玉を投げていきたい」とコメントすると、石田氏は「『こういうものがあったら』という要望を、技術無視で言ってください」と自信を見せた。

 なお同社では、「短期間における大量通信時の制限」(3日間で300MBなど)を設けていたが、これも春よりなくし、「容量による制限撤廃」を実現することも、同日発表している。
《冨岡晶》

冨岡晶

フリーの編集者/ライター/リサーチャー。芸能からセキュリティまで幅広く担当。

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