日本の高校生、ICT活用が4か国中最低…日米中韓の比較

 日本の高校生は米国や中国、韓国と比べて、パソコンの利用、プログラミング、インターネットを利用して勉強することなど情報通信技術(ICT)の活用が少ないことが、国立青少年教育振興機構の調査結果より明らかになった。

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パソコンスキル
  • パソコンスキル
  • インターネット活用
  • 勉強についてプレッシャーを感じているか
  • プレッシャーの原因
  • 総合的な成績は、クラスの中でどこに位置しているか
  • 自分の成績に満足しているか
  • 将来、どのような目標をもっているか
  • 人生目標についての因子分析
 日本の高校生は米国や中国、韓国と比べて、パソコンの利用、プログラミング、インターネットを利用して勉強することなど情報通信技術(ICT)の活用が少ないことが、国立青少年教育振興機構の調査結果より明らかになった。

 高校生の勉強と生活に関する意識調査報告書は、日本と米国、中国、韓国の4か国の普通科高校を対象に、学習意識やICTの活用、学校生活の実態、将来への展望などを集団質問紙法により調査し、分析したもの。日本は2016年9月~11月、18校を対象に実施し、2015人の有効回答を得た。

 パソコンスキルについて質問したところ、日本は「Wordなど文章ソフトを使うこと」20.8%、「Excelなど表計算ソフトを使うこと」13.1%、「PowerPointなどプレゼンテーションソフトを使うこと」11.1%、「自分のブログやホームページを作成・更新すること」8.0%、「簡単なプログラミングをすること」4.8%と、すべての項目において4か国中もっとも低い。

 インターネット活用については、「インターネットでニュース関連の情報をみること」が4か国とも7割以上と高い。日本は「インターネットで学習の情報や資料を調べたり、収集したりすること」「学習ソフトやアプリを使って勉強すること」「塾のホームページや動画サイトなどで講義や授業の動画をみること」「インターネット上にある練習問題や試験対策問題を解くこと」「インターネット上の質問サイトにわからないことを質問すること」においても4か国中でもっとも低く、米中韓と大きな差がみられた。

 勉強についてプレッシャーを感じているか聞いたところ、4か国とも6割以上が勉強のプレッシャーを感じている。そのおもな原因は、日本では「自分の願望」「勉強の内容が理解できない」、米国では「先生の期待」、中国では「友達との競争」、韓国では「就職状況」「親の期待」がそれぞれ4か国中もっとも高い。

 成績の自己評価について、日本は「上位」「中の上の方」と回答した高校生が3割以下と少なく、4か国中もっとも低い。また、自分の成績への満足度も約2割と4か国中もっとも低い。

 将来の目標について、日本は10項目のうち8項目の割合が4か国中もっとも低い。特に「高い社会的地位に就くこと」13.8%、「リーダーになること」5.6%、「有名な大学に入ること」13.6%、「高い社会的地位に就くこと」13.8%の項目が低く、米中韓と大きな差がみられた。人生目標についての10項目を因子分析したところ、日本の「上昇志向」の得点が際立って低く、控えめな人生目標を持つ傾向にあることが明らかになった。
《工藤めぐみ》

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