生徒の生活満足度、日本は47か国・地域で下から6番目…OECD調査

 日本の15歳の「生活満足度」は、世界47か国・地域で下から6番目に低いことが4月19日、OECD(経済協力開発機構)による生徒の学習到達度調査(PISA)2015年調査国際結果報告書「生徒のwell-being(生徒の『健やかさ・幸福度』)」から明らかになった。

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生徒の生活満足度
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 日本の15歳の「生活満足度」は、世界47か国・地域で下から6番目に低いことが4月19日、OECD(経済協力開発機構)による生徒の学習到達度調査(PISA)2015年調査国際結果報告書「生徒のwell-being(生徒の『健やかさ・幸福度』)」から明らかになった。

 PISA調査は、義務教育終了段階にある15歳の生徒の知識や技能が、実生活で直面する課題にどの程度活用できるかを評価するもの。2015年調査には72か国・地域から約54万人が参加し、日本では2015年6~7月、全国の高校、中等教育学校後期課程、高等専門学校の1年生約6,600人が参加した。

 調査では、生徒の主観的な生活全般における満足度を質問。コンピューター画面に0から10まで11段階で示されたスライダーバーの目盛りをマウスで移動させる形式で、生徒に生活満足度をたずねている。報告書では、生徒が回答した生活満足度の程度を「十分に満足(9~10)」「満足(7~8)」「まあ満足(5~6)」「満足していない(0~4)」の4段階に分け、各国生徒の段階の割合を示した。

 これによると、日本は「十分に満足」23.8%、「満足」37.3%、「まあ満足」22.9%、「満足していない」16.1%で、平均値は6.8であった。OECDの平均値7.3と比べると、0.5低かった。比較可能な47か国・地域をみると、「ドミニカ共和国」の8.5がもっとも高く、ついで「メキシコ」8.3、「コスタリカ」8.2。もっとも低かったのは「トルコ」の6.1、ついで「韓国」6.4、「香港」6.5。日本は、47か国・地域で下から6番目に低い結果となった。

 生活満足度における男女差は、日本は相対的にみると小さい傾向にあった。「十分に満足」と回答した割合に男女差はほとんどなく、「満足していない」と回答した割合は女子よりも男子の方がやや大きかった。一方、参加国全体でみると、「十分に満足」との回答は女子よりも男子、「満足していない」との回答は男子よりも女子の割合が大きい傾向にあった。

 今回の調査結果について、OECDでは「日本の生徒の生活満足度は世界的に低いという単純な解釈は事実を正確に捉えられているとは言い難いように思われる。特に生活満足度の低い10か国の中に東アジアの6か国が含まれていることを考えると、社会文化的要因を考慮しデータを解釈する必要がある」と指摘している。

 何に価値観を置き、幸せや満足を感じるかは文化によって異なり、自己呈示の仕方も文化による違いが大きいことから、OECDの国際報告書でも「主観的な生活満足度の国際比較は難しい」としている。
《奥山直美》

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