大学発ベンチャー、55%が黒字化…創出数は東大が3連覇

 経済産業省は4月26日、平成28年度の「大学発ベンチャーの設立状況等に関する調査」の結果を公表した。現存する大学発ベンチャーは1,851社で、黒字化した割合は55.7%。大学別では、東京大学が216社と、3年連続で創出数トップだった。

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大学発ベンチャー設立数の推移
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 経済産業省は4月26日、平成28年度の「大学発ベンチャーの設立状況等に関する調査」の結果を公表した。現存する大学発ベンチャーは1,851社で、黒字化した割合は55.7%。大学別では、東京大学が216社と、3年連続で創出数トップだった。

 調査は、大学発ベンチャーの基礎データを継続的に把握・分析するため、経済産業省が平成26年度から実施している。

 平成28年度調査において、存在が確認された大学発ベンチャーは1,851社。平成27年度調査で確認された1,773社から、増加していた。

 事業ステージ(成長段階)をみると、「事業開始前(PoC前)」8.2%、「事業開始前(PoC後)」13.0%、「事業開始後単年赤字」23.1%、「単年黒字累積赤字」27.5%、「単年黒字累積解消」28.2%。黒字化した大学ベンチャーの割合は55.7%で、平成27年度調査時の55.6%とほぼ同じ結果だった。

 大学発ベンチャーの分類では、「研究成果ベンチャー」が1,114社ともっとも多く、全体の6割を占めた。業種では、大学発ベンチャー全体でみると、「バイオ・ヘルスケア・医療機分野」が28.3%ともっとも多かった。「学生ベンチャー」では「IT(アプリケーション・ソフトウェア)」の割合が39.4%、「協同研究ベンチャー」では「バイオ・ヘルスケア・医療機分野」が28.8%、「環境テクノロジー・エネルギー分野」が23.1%にのぼった。

 大学別の大学発ベンチャー創出数では、「東京大学」が216社と圧倒的に多く、3年連続トップとなった。2位は「京都大学」97社、3位は「筑波大学」と「大阪大学」の76社であった。なお、創出数は、大学公認の大学発ベンチャーではなく、経済産業省が独自に規定した大学発ベンチャーを示している。

 大学発ベンチャーの所在住所から地域別の創出数を集計したところ、1位「東京都」506社、2位「大阪府」122社、3位「京都府」114社、4位「神奈川県」107社、5位「福岡県」102社という結果であった。
《奥山直美》

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