教育向け、プログラミングできる“知育ドローン”「Airblock」…ソフトバンクC&S(写真72枚)

教育ICT 小学生

記者の上空をドローンが飛び回る
  • 記者の上空をドローンが飛び回る
  • 左よりクリス・リュー氏、ジェイセン・ワン氏、倉光哲男氏、引地弘明氏
  • 「Airblock」外観
  • 「Airblock」同梱物
  • モジュールを分解した状態
  • 操作アプリ画面
  • ホバークラフト形状の「Airblock」
  • 「Airblock」全体像
 ソフトバンク コマースサービス(ソフトバンクC&S)は7月14日より、中国Makeblock社製のドローン「Airblock」の販売を開始する。挙動を自分でプログラミングできるなど、教育現場での活用に焦点を当てているという。

 Makeblock社は、科学教育に関する教材や教育用ロボットの開発・製造を中心に手掛けている企業。同社のSTEM教育のための組み立て式ロボット「mBot」は、すでに国内販売されており、関連書籍も出版されている。今回あらたに発売される「Airblock」は、“プログラミングを通じたSTEM教育×ドローン”をコンセプトとした、意欲的な製品だ。

「Airblock」全体像
「Airblock」全体像

 「Airblock」は、従来製品のように操作できるだけでなく、モジュールの組み合わせを変えることで、さまざまな形状に変更できるドローンだ。モジュールは6角形。マスターコントロールモジュールのまわりに、6つのパワーモジュール(プロペラ回転用モジュール)を配置するのが基本形。まずこの状態では、スマートフォンから操作し空中飛行が楽しめる。ここから、プロペラの配置や数を変えることが可能。付属のベースと組み合わせれば、地上・水上を移動するホバークラフトに変形する。

ホバークラフト形状の「Airblock」
ホバークラフト形状の「Airblock」

 Scratchベースのビジュアルプログラミングツールが用意されており、さまざまな操作を事前登録できる。あらかじめプログラミングしておくことで、離着陸、旋回、宙返りといった操作が、ワンタッチで行える。

モジュールを分解した状態
モジュールを分解した状態

 本体は、発泡ポリプロピレン製のやわらかい素材を採用し、約150g(バッテリー含む)と軽量。六角形のモジュールはマグネットでつながっており、衝突時はバラバラに分散することで、安全性も確保されているという。同時にマグネットの反発を利用し、矛盾する組み立てはできないようなっている。

 7月6日には、ソフトバンク コマース&サービスとMakeblockが共同で、商品発表・体験会を開催。東京都江東区の日本科学未来館において、ソフトバンクC&S取締役の倉光哲男氏、Makeblock CEOのジェイセン・ワン氏、Makeblock Japan Branch Managerのクリス・リュー氏、ソフトバンクC&Sロボット・IoT事業推進部の引地弘明氏が登壇し、「Airblock」の戦略説明やデモンストレーションを行った。

◆拡大するSTEM教育市場、ロボットが果たす役割

 最初に登壇したソフトバンクC&S取締役の倉光哲男氏は、ロボット事業における同社の立ち位置と、Makeblockの関係を説明した。

ソフトバンクC&S取締役の倉光哲男氏
ソフトバンクC&S取締役の倉光哲男氏

 ソフトバンクC&Sは、30年以上の歴史を持つITディストリビューターだが、グループ総帥の孫正義氏の指令により、近年はロボット事業にも注力。「Pepper」の展開などを行っていたが、2017年には、ロボット・IoT事業推進部を設立し、さらに本格的に、ロボット関連サービスの提供・販売に乗り出した。同社の強みを「付加価値流通」と定義し、さまざまなエコシステムを構築してきたという。そうしたなか、小学校でのプログラミング教育の2020年必修化による「知育ロボット市場の拡大」をにらみ、Makeblockとの協業を行っているとのこと。今年(2017年)よりロボットキット「mBot」の販売を開始し、今回あらたに「Airblock」も手掛けることになったと、背景を説明した。

Makeblock CEOのジェイセン・ワン氏
Makeblock CEOのジェイセン・ワン氏

 続いてMakeblock CEOのジェイセン・ワン氏が登壇し、Makeblock社のコンセプトを説明。同社は、2013年の設立よりSTEM教育ソリューションに注力しており、現在社員数450名にまで成長している。社員の45%が研究開発に従事しており、売上も前年比300%以上で成長。そのうち、7割は中国以外の海外市場が占めている。そうしたグローバル展開の一環として、日本市場にも進出し、その販路を担うパートナーがソフトバンクC&Sという形だ。

◆教育現場では算数・数理系の強化を…塾での展開も期待

 そして新製品「Airblock」を紹介するため、Makeblock Japan Branch Managerのクリス・リュー氏が登壇。実際に「Airblock」を会場で飛行させ、その特徴を解説した。

Makeblock Japan Branch Managerのクリス・リュー氏
Makeblock Japan Branch Managerのクリス・リュー氏

 Makeblock JapanはMakeblockの日本法人として2016年9月に設立。ソフトバンクC&Sと歩調を合わせ、日本STEM教育市場の開拓に取り組んでいる。そのアプローチは「製品の提供」だけでなく、「STEM人材の育成」「資金調達のための提案」など複合的に行っているとのこと。今後は、公立学校への普及推進のほか、ロボコンの開催なども検討中だ。そして「Airblock」は、STEM教育における“プログラミング”において、ソフト、ロボットに次ぐ3つめの段階と考えているとした。

 「Airblock」の特徴については、モジュール方式による数十秒で組み立てできること特撮ロボットのように変形合体することビジュアルプログラミングが可能なこと、それによりさまざまなアイデアが試行できることなどがあげられた。操作も、手元のスマートフォンとBluetooth接続するだけで、簡単に開始できる。会場でも実際に「Airblock」を飛行させ、ワンタッチで宙返りを行うと、歓声があがった。

ソフトバンクC&Sロボット・IoT事業推進部の引地弘明氏
ソフトバンクC&Sロボット・IoT事業推進部の引地弘明氏

 最後にソフトバンクC&Sロボット・IoT事業推進部の引地弘明氏が登壇。発売が7月14日、参考標準価格が22,000円(税別)であることを発表した。販路については、エディオン、ビックカメラ、ヤマダ電機、ヨドバシカメラなどの大手量販店のほか、SoftBank SELECTIONオンラインショップ、Amazon、NTTぷららでの販売を予定している。体験イベントやワークショップも開催予定だとした。

 その後の質疑応答では、まずカメラ機能について質問が出たが、撮影モジュールについては当面販売は予定していないとのこと。日本のドローンでは空撮が人気だが、このへんは教育用途ということを重視した部分もあるだろう。別売バッテリーなどについても未定とのこと。

 また具体的な利用科目などは想定していないが、おもに算数・数理系の教科になるだろうとの回答。ロボットに関する塾での活用も見込まれるとした。実際、すでに海外のクラウドファンディングなどを通じて数万台規模の受注が始まっており、“プログラミング教育×ドローン”という組み合わせは、目新しく興味深い。ただ、日本のSTEM教育は、科目と密接に関連づいていることが重視されているので、今後の提供形態など、日本向けローカライズでの改善、拡張機能の提供などに期待したい。

◆製品概要
 製品名:Airblock
 対応OS:iOS/Android
 バッテリー:7.4V 700mAhリチウムポリマー電池
 通信方法:Bluetooth
 製品寸法:長さ230mm×幅222mm×高さ53mm、約150g(ドローン形状時)/長さ335mm×幅192mm×高さ127mm、約195g(ホバークラフト形状時)
 操作可能時間:8分(ドローン形状時)/16分(ホバークラフト形状時)
 対象年齢:8歳以上
 参考標準価格:22,000円(税抜)
 同梱物:マスターコントロールモジュール/パワーモジュール/プロペラ/フットパッド/保護カバー/ホバークラフトベース(防水機能なし)/充電池/充電器/充電ケーブル/予備プロペラ/デコレーション用ステッカー/日本語マニュアル
「Airblock」外観
「Airblock」外観
《冨岡晶》

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