英語4技能に対応した授業の実施率は45%、スピーキングに課題

 デジタル・ナレッジが運営するeラーニング戦略研究所が、小・中・高校、塾・予備校の英語教育に関わる教員・講師を対象に実施したアンケートによると、英語4技能すべてに対応した授業を実施している学校は45%であることが明らかになった。

教育・受験 先生
英語4技能すべてに対応する講座・授業を実施しているか
  • 英語4技能すべてに対応する講座・授業を実施しているか
  • 英語4技能のうち、個人的に力を入れたい分野
  • 英語4技能教育として実施している講座・授業
  • 英語4技能対策の課題
  • スピーキング対策として期待できる方法
 デジタル・ナレッジが運営するeラーニング戦略研究所が、小・中・高校、塾・予備校の英語教育に関わる教員・講師を対象に実施したアンケートによると、英語4技能すべてに対応した授業を実施している学校は45%であることが明らかになった。

 調査は、英語4技能教育の現状と課題、英語教育におけるAI活用に関する教員の意識を調査することが目的。全国の小・中・高校、塾・予備校で英語教育に関わっている教員・講師100名を対象に実施した。調査期間は2017年11月1日~6日。

 英語4技能すべてに対応した授業を「すでに実施している」学校は全体の45%。公立中学校は「すでに実施している」が100%と英語4技能に対応した取り組みが進んでいた。一方で、公立高校は57.1%、受験対策塾・予備校は41.9%、受験対策ではない塾は52.4%、私立高校では「実施予定だが時期未定」が100%と、高校や塾・予備校での4技能対策はあまり進んでいなかった。

 教員がもっとも力を入れたい分野は「スピーキング」が最多。しかし、実際に行われている授業・講座は、「リーディング」80%、「ライティング」79%、「リスニング」「語彙力(単語)」各74%の順に多く、「スピーキング」は59%であった。

 学校別に「スピーキング」の授業・講座の実施率を見ると、公立小学校と公立中学校は各100%、公立高校57.1%、私立高校50%、受験対策塾・予備校44.2%、受験対策ではない塾52.4%と、高校や塾・予備校でのスピーキング対策が弱いことがわかった。eラーニング戦略研究所は、「こうした傾向は現行の大学入試の影響が考えられる」としている。

 2020年の大学入試改革に向けた英語4技能対策の課題として、「教員のスキル不足」74%がもっとも多く、「適切な教材・コンテンツ不足」49%、「学習時間が少ない」37%、「教員の人員不足」36%、「学習者の意欲が低い」30%が続いた。

 スピーキング対策として期待できる方法は、「対人の英会話トレーニング」73%がもっとも多く、ついで「リスニング」69%、「シャドーイング」43%、「オンライン英会話」19%、「AIによるトレーニング」11%だった。

 現在、AIをはじめとした最新技術の教育活用が注目されているが、どのようなものがあれば教員・学習者とも実りある学びが実現できそうかを聞いたところ、「ICT環境の充実・英会話に特化したAI」21%、「進化した教材」18%、「英語を使う機会を増やす」14%であった。「ICT環境の充実・英会話に特化したAI」では、「フリートークができるデバイス(50代受験対策塾・予備校講師)」や、「ICT環境が整いタブレットなどが自由に使え、海外と結んで英会話などの学習ができる(50代公立高校教員)」などの意見があがった。
《外岡紘代》

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