THE世界大学ランキング日本版2018、1位は東大・京大

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THE世界大学ランキング 日本版2018<総合ランキング>トップ20
  • THE世界大学ランキング 日本版2018<総合ランキング>トップ20
  • THE世界大学ランキング 日本版2018<教育リソース>トップ10
  • THE世界大学ランキング 日本版2018<教育充実度>トップ10
  • THE世界大学ランキング 日本版2018<教育成果>トップ10
  • THE世界大学ランキング 日本版2018<国際性>トップ10
  • TES GlobalでCommercial Directorを務めるNick Pirog(ニック・ピログ)氏
  • 世界大学ランキングや国別ランキング設計の責任者であるTES GlobalのDuncan Ross(ダンカン・ロス)氏
  • ベネッセコーポレーション学校カンパニー 大学・社会人事業本部長の藤井雅徳氏
 ベネッセグループと英国の教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(Times Higher Education;THE)を運営するTES Globalは2018年3月28日、東京都内で「THE世界大学ランキング 日本版2018」を発表した。2017年に続く2回目の発表では、総合87.7で京都大学と東京大学が同時に首位となった。

THE世界大学ランキング 日本版とは



 Times Higher Educationは、世界の大学をランク付けする調査「THE世界大学ランキング(The Times Higher Education World University Ranking)」結果を2004年から毎年発表している。世界の高等教育機関における研究力に重きをおいたランキングで、2017年9月に発表された「THE世界大学ランキング2018」では上位1,102大学を発表した。この数字は世界に約2万3,000あるとされる高等教育機関のうち5%にあたり、ランキングに入った大学は“国際的な高等教育機関”であるとされている。

 「THE世界大学ランキング」が研究力を重視したランキングであるのに対し、2017年に初めて発表された「THE世界大学ランキング 日本版」は教育力を測る設計とした。

画像:生粋のデータ好きだというダンカン・ロス氏。日本版ランキングの設計や結果について分析した

 設計背景について、世界大学ランキングや国別ランキング設計の責任者であるTES GlobalのDuncan Ross(ダンカン・ロス)氏は「日本の大学は力があるにも関わらず、(研究力を重視した)THE世界大学ランキングでは十分な順位を出せていなかった」と述べる。海外の大学は研究機関としての位置づけが大きいところ、日本では入学後の教育に力を入れている場合が多く、THE世界大学ランキングでは日本の大学の特色を評価しきれていなかったという。

評価指標と項目…2018年は「国際性」見直し



 大学受験の際、受験生が大学選びの指標として活用するデータのひとつには「偏差値」があるだろう。「THE世界大学ランキング 日本版」は、そういった国内受験生に向けた大学選びの指標のひとつとなることを願って作成されたものだ。同時に、大学経営陣が教育改革を行ううえで活用できる、客観的な指標としての浸透も期待されている。

 よって、日本版ランキングの指標は「教育リソース」「教育充実度」「教育成果」「国際性」の4分野13項目で構成し、日本の教育事情により則した形での発表になるよう調整されている。

THE世界大学ランキング 日本版2018 ランキング指標
画像:ランキング指標

 Ross氏によると、第2回の発表にあたる「THE世界大学ランキング 日本版2018」は特に、第1回発表時の各大学からの意見を反映しながら、「国際性」分野の見直しを図った。具体的には「日本人学生の留学比率」と「外国語で行われている講座の比率」を測る項目を追加し、第1回では16%だった評価比率を、今回は20%に引き上げた。同時に、大学規模に左右されやすい「学生一人あたりの資金」「競争的資金獲得数」を含む「教育リソース」の割合が均等化されるなどの変更が加わっている。現に、「教育リソース」の評価比率は38%から34%に引き下げられた。

 ベネッセコーポレーション学校カンパニー 大学・社会人事業本部長の藤井雅徳氏は、今回追加した2つの同項目について「グローバル人材の育成に積極的な大学を評価できるようになった」とコメント。

画像:「THE世界大学ランキング 日本版2018」の結果分析を行う藤井雅徳氏

 これまでの日本版ランキングでは海外からの留学生・教員比率のみで国際性が測られていたところ、今回からは留学生海外大学との大学間協定の締結を進め、単位互換制度や長期留学制度、留学に対する奨学金などを充実させている大学を評価できるように変更したという。

総合1位は東大・京大



 前述のとおり、評価項目の見直しや比重割合の変更が行われた第2回の「THE世界大学ランキング 日本版」は、ベネッセグループとTES Globalが2018年3月28日に2018版結果を発表した。

 各指標・項目に基づく調査やデータ集計の結果、総合ランキング1位には総合87.7を獲得した京都大学と東京大学の2大学が同時にランクインした。3位には昨年2位の東北大学が入った。第1回における3大学の差は小さかったところ、前回3位だった京都大学が今回「国際性」の評価で66.3を記録し、東京大学の65.0を上回った点などが順位上昇に影響を与えたと見られる。

THE世界大学ランキング 日本版2018<総合ランキング>トップ20
画像:総合ランキング トップ20

 ただし、Ross氏は上位の大学における順位の変動は注意して分析しなければならないと指摘する。上位の大学群ほど各項目における点差が狭く、相対的に順位が上昇もしくは下落したのか、それとも大学の取組みが反映された結果なのかが判断しづらいからだ。

 よって、大学価値は今回の結果のみで判断するのではなく、Ross氏は同ランキングを「(他大学と比べて)相対的に弱いところ、改善の余地があるところの指標としたり、競合する大学のベンチマークとして活用したりといった方法で活用してもらえれば」と呼びかけた。

 なお、日本版ランキングでは、「THE世界大学ランキング2018」では上位にランクインしなかった一橋大学(日本版2018総合14位)、国際基督教大学(同16位)、立命館アジア太平洋大学(同21位)などが総合順位トップ50にランクインしている。藤井氏は、こういった大学群を客観的な指標で見ることができ、世界の留学生にアピールできる点も日本版ランキングならではの特色だと述べている。

分野講評:見えてきた課題



 「THE世界大学ランキング 日本版2018」は、各分野ごとのランキングも発表している。「教育リソース」と「教育成果」は1位に東京大学、「教育充実度」と「国際性」は1位に秋田県の公立大学である国際教養大学がランクインした。

 藤井氏によると、「教育リソース」分野では比較的国公立大学の評価が高く、高校教員からの評価で表す「教育充実度」分野や、外国人学生・教員および留学生比率などを測る「国際性」分野では、私立大学が上位にランクインする傾向にある。
THE世界大学ランキング 日本版2018<教育リソース>トップ10
画像:教育リソース トップ10

THE世界大学ランキング 日本版2018<教育充実度>トップ10
画像:教育充実度 トップ10

THE世界大学ランキング 日本版2018<教育成果>トップ10
画像:教育成果 トップ10

THE世界大学ランキング 日本版2018<国際性>トップ10
画像:国際性 トップ10

 分野ごとのランクイン傾向が見えた一方、各分野・項目の評価からは、国公立大学と私立大学が抱える課題も見えてきた。たとえば、国公立大学の多くは学生一人あたりの資金や学生一人あたりの教員比率などの教育リソースの活用法に課題を抱えていることが多く、県をまたぐと教育内容や大学の実態が知られていない―つまり地元の受験生にしか知られていない―という、広報活動の面でも課題を抱えている可能性が高いという。また、私立大学では資金調達で苦戦を強いられている大学が多く見られ、特に社会科学系の学部が多い私立大学の場合は、その傾向が強く出たという。

 TES GlobalでCommercial Directorを務めるNick Pirog(ニック・ピログ)氏は、世界的に留学生数が増加する傾向を例に「多くの方が留学を考えるようになっている。この傾向を大学がどのように捉えるか、そして受入れていくか」が重要であるとコメント。留学志向の生徒・学生数は今後も増える見込みから、大学経営や教育改革を行う際の参考に「THE世界大学ランキング 日本版」を活用してもらえれば、と期待を寄せた。

画像:TES GlobalでCommercial Directorを務めるニック・ピログ氏

大学選びのものさしへ 今後の展望



 「THE世界大学ランキング 日本版」の発表はまだ2回目。調査方法や分野・項目に関する大学側からの積極的な意見や質問などもあがっているとのこと。

 二者は今後、今回の発表では反映を見送った学生調査結果を生かしたランキングを設計するほか、優れた学生を輩出する大学をランク付けする「社会的影響力」を軸にしたランキングの発表を予定しているとのこと。

 日本と同じ指標で海外の大学も比較できるよう、日本版ランキングに近い「教育力」を重視した西ヨーロッパ版の大学ランキング発表なども視野に入れながら、国内外の学生が進学先を選ぶ際の一助となる情報を提供していきたいとしている。
《佐藤亜希》

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