子ども専用スマホ、中3で47.0%…小学生と違う利用目的

 学研教育総合研究所は2018年3月29日、中学生白書Web版「中学生の日常生活・学習に関する調査」を公表。子ども専用のスマートフォン利用率は学年とともに上昇し、中学3年生では47.0%を占めることがわかった。利用目的では、動画の閲覧や友だち・家族との連絡手段が多い。

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自由に使える通信機器
  • 自由に使える通信機器
  • 通信機器の利用目的
  • 中学生の1日の通信機器利用時間(目的別)
  • 中学生の1日の通信機器利用時間(合計)
  • 利用している学習サービス
  • 学習参考書・問題集の購入冊数/年
  • 学習参考書・問題集の購入理由
 学研教育総合研究所は2018年3月29日、中学生白書Web版「中学生の日常生活・学習に関する調査」を公表。子ども専用のスマートフォン利用率は学年とともに上昇し、中学3年生では47.0%を占めることがわかった。利用目的では、動画の閲覧や友達・家族との連絡手段が多い。

 学研教育総合研究所による「中学生の日常生活・学習に関する調査」は2017年8月24日から29日、保護者を通じて全国の中学生にインターネットで回答を依頼。各学年で男女100人ずつとその保護者、合計600組から回答を集め、「中学生白書Web版(2017年8月調査)」として結果をまとめた。なお、中学生を対象としたアンケート調査は今回が初めての試み。質問項目の選定に関しては、1946年以来調査を行ってきた「小学生白書」との連続性に着目したという。

 中学生が家庭内で自由に使える通信機器は、「パソコン(家族と共有)」50.2%がもっとも多く、「スマートフォン(子ども専用)」40.3%、「ゲーム機(子ども専用)」34.5%、「タブレット(家族と共有)」19.8%、「ゲーム機(家族と共有)」18.2%、「タブレット(子ども専用)」12.3%と続いた。

 おおむね学年が上がるにつれて子ども専用機器の所有率が上昇する傾向がある。「スマートフォン(子ども専用)」は、1年生で36.0%、2年生で38.0%だったが、3年生で47.0%に増加。「パソコン(子ども専用)」は、1年生で4.0%だったが3年生で12.5%となった。また、「スマートフォン(子ども専用)」は、男子(34.7%)より女子(46.0%)の方が所有率が高く、11.3ポイントの差がみられた。

 通信機器の利用目的では、「動画の閲覧」63.0%、「友達との連絡手段」55.6%、「家族との連絡手段」44.9%、「ゲームをする」41.6%、「趣味のための情報収集」36.5%、「勉強のための情報収集」28.2%の順に多い。小学生白書(2017年8月調査)と比べると、「友達との連絡手段」に大きな差があり、小学生の11.2%より44.4ポイント増加した。

 通信機器の利用目的別の利用時間については、「動画の投稿」1時間58分がもっとも長く、ついで「動画の閲覧」1時間9分、「ゲームをする」1時間3分。「動画の投稿」は該当人数が30人未満と少ないものの、かけている時間の長さではトップとなった。なお、中学生全体の通信機器利用時間の平均は1時間48分。学年が上がるにつれて利用時間も長くなり、3年生は平均2時間となっている。

 そのほか、利用している学習サービスは「学習塾(学校の授業を補習するための学習)」29.0%がもっとも多く、「進学塾(高校・大学受験に備えた学習)」19.2%、「通信教育(オンライン、紙媒体など)」17.8%と続く。もっとも多いのは「利用している学習サービスはない」37.7%だった。

 ただし、男女ともに3年生になると「進学塾」の割合が33.0%に増え、「学習塾」32.0%、「利用している学習サービスはない」29.0%を上回る。また、「通信教育」は1年生の26.5%から、3年生には13.0%と減少している。

 学習参考書や問題集については、中学生の70.5%が「ほとんど買わない」と回答。そのほか、「3か月に1冊」11.8%、「1か月に1~2冊」8.3%となっており、学習参考書や問題集を使わずに勉強する中学生が多い。学年別の平均購入冊数は、1年生が3.5冊、2年生が3.3冊、3年生が3.9冊。

 学習参考書や問題集を購入している中学生に購入理由を尋ねると、「学校の授業の復習」37.3%がもっとも多く、ついで「受験のため」21.5%、「学校の授業の予習」16.9%。各学年で購入理由の上位は異なり、1年生は「学校の授業の復習」36.4%と「学校の授業の予習」32.7%、2年生は「学校の授業の復習」55.8%が多い。3年生は「受験のため」42.9%が多く、予習から復習、復習から受験へ、各学年の参考書や問題集に求める目的が変化することがわかった。
《黄金崎綾乃》

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